Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

映画『コーダ あいのうた』耳が聴こえない家族達にも届いた少女の歌声!涙が止まらない!

 

とある田舎の海の町で繰り広げられる 家族ドラマとシンデレラストーリー。 仲の良い4人家族暮らしで、 家業の漁業手伝う高校生の少女 ルビーは 幸せ。

でもはたから見ると過酷な環境なのです。 まず、両親と兄の4人家族の中で、耳が聞こえるのはルビーだけ。 そして高校に通いながらも、 朝3時起きで 船出して重労働の漁業を手伝います。
その上、彼女は、 常に他の家族3人の通訳係もしています。
なので、時には、あけっぴろげで子供っぽいところのある両親の性病診療にも付き合って 通訳するなど「 勘弁してよー」 という場面もあるのです。

それでも、 みんなが愛情を注ぎ合い、 冗談も絶えない家族の中で、 ルビーはハッピー。 ある日彼女の才能が発掘されるまでは!!

その才能とは、 なんと彼女の歌声。 通っている高校で 入った 合唱クラブで、バークリー音楽大学出身の 先生にその才能を見抜かれるのです。 そして、 バークリー音楽大学を受験するための 特別レッスンも彼から受けられることに! 田舎町で、 たまたまそんなエリート先生に、 自分でも気づいていなかった才能を発掘されるなんて、 なんとミラクルな幸運 なんでしょう。

でも この日から彼女の様々な葛藤が始まります。 まず第1に「 歌声」 というのは彼女の家族達に、 一番理解してもらえなそうな才能です。 一体どこに、耳が聞こえない家族たちが それを理解する 可能性があるのでしょう? それに加えて、 そもそも家族たちは、 ルビーが通訳も含めて 漁業を手伝ってくれることを期待しているので、 仮に耳が聞こえたとしても、 家を出て歌の道に進むなんて反対するでしょう。 才能に気づかなければ、 高校卒業後は何の疑問も持たずに 漁業を手伝って 和気あいあいとしてたかもしれない彼女 に、家族を選ぶか 夢に向かって歩むかという 葛藤が生まれます。

そんな状況で、 歌のレッスンに遅刻してしまったり、 授業中寝てしまったり、 同時進行中の 恋愛が難航したり、 学校で意地悪されたりと、 様々な苦難がルビーに降りかかってくる!

でも、 絶対に彼女を裏切らないのは、 家族たちの愛。 家族の中で一人だけ耳が聞こえる上に、 特別な 才能があることも分かった彼女の状況を理解できず、 たまに傷つけてしまう家族ですが、 それに気付いた時に、 倍返し以上の愛情で彼女を包みます。

そして、ある特別な機会に、 ルビーの父親は、 なんと 完全に彼女の才能を理解するのです!!
この感動的な瞬間、映画を見ている私達の視点は、父親からのものになります。「あれ?」と思った瞬間に、今まで体験したことのないような感覚でルビーの舞台を鑑賞することに!
随所にみられるシアン・ヘダー監督の凄腕の真骨頂がここに!

自分たちとは違うけど 世界で一番大事なルビー を理解したいと思う絶大な愛が、「耳が聞こえない」という事実を軽々と乗越えてしまうことを、家族と一緒に私達も体感してしまいます。
そしてそれに100倍返しで応えるルビーにまた心打たれます。ルビーを演じるエミリア・ジョーンズ の、ナイーブすぎない初々しさが素晴らしい。

涙を止まらせてくれないステキな映画。 そして、 「家族がみんな耳が聞こえないなんて、 大変だなあ」と思っていた 最初の自分は もうここにはいません。 そんなことは、人間が魅力的かどうか、幸せかどうかということと何ら関係ないということが 明らかになるのです。

【基本情報】
■タイトル:『コーダ あいのうた』
原題:CODA|2021年|アメリカ|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|112分|
■公開:2022年1月21日(金) TOHOシネマズ 日比谷他、全国ロードショー!
■スタッフ・キャスト
監督・脚本:シアン・ヘダー 
出演:エミリア・ジョーンズ「ロック&キー」、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ『シング・ストリート 未來へのうた』、マーリー・マトリン『愛は静けさの中に』
■公式HP:gaga.ne.jp/coda
■コピーライト: © 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
■配給:ギャガGAGA

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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