Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

シュールとモードの幸福な出会いが私たちをアートにする👑「奇想のモード」には奇抜と官能が同居する!

TPO(時と場所、場合に応じた服装・態度などを使い分けようという考え方)なんてむしろ邪魔!(笑) 

シュールとモードの幸福な出会いが生んだファッションたちが、私たちを思いっきり解放してくれる舘(やかた)が今、目黒に出現中!
「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」展を開催している『東京都庭園美術館』です。

TPOをドカーンと超越(シュール)してぶっ飛んだファッションたちが手ぐすねを引いて待っている場所。
特に20世紀前半以降のファッション&モード( 流行)が同時代のシュルレアリスムと相思相愛になってぶっ飛びまくってきた様子が伝わってきて楽しい!
ご存じのシュルレアリスムは、1924年にブルトンが『シュルレアリスム宣言』を発表して運動が本格的に始まりました。無意識を探究することで、現実の理性を超越した不思議な違和感が魅力的な表現を生み出しています。
シュルレアリスム関連で登場するアーティストとしては、マックス・エルンストジョルジョ・デ・キリコマン・レイサルヴァドール・ダリなど個性的な面々が知られています。
でも彼らは奇抜なだけでなく色気があってオシャレだった!
シュルレアリスムの作品に多くの美女たち(奥さんだったり、恋人だったり)が登場することからもそれが想像できます。
奇抜なだけでなく官能的でもあったシュルレアリスムの表現と当時のモードの相性が抜群だったのだなということがこの展覧会から伝わってきます。

そして、実用を越えてアートの領域に 足を踏み込んだそれらのファッション&モードを身に纏えば、 私たちもアートに変身できる♪
そんな想像の世界をシェアします! 

マルタン・マルジェラの《ネックレス》

今夜は六本木のある現代アートギャラリーでレセプションパーティー。
結構とがったアートの展覧会だし、 奇抜な格好で出かけたい。   
と思いながらもいつものワンピースを身につけて、
「あ~もう時間がない!」

とっさに近くにあった額を 頭からかぶってみたら??

意外とネックレスとしてサマになる。その上額に縁取られた 自分の顔は飛び出す絵画ってこと?! 笑いも取れそうだし今夜はこれで決まり✨ 

マルタン・マルジェラ《ネックレス》2006年

エルザ・スキャパレッリづくし

ギャラリーのレセプション会場に到着すると、 作品 よりも強烈な ファッションをまとった女性たちでいっぱい。 シュルレアリスムからのインスピレーションをふんだんにファッションに取り入れたエルザ・スキャパレッリのドレス軍団も登場。 

マントって 舞台とかでないとなかなか着ないよな~。

極めつけは金糸で 背中全面に刺繍が施されたイブニングケープ!
ギリシア神話に登場する太陽神アポロンが馬車で天空を駆ける姿が描かれています。
知性とスゴ味が同居するシュールな一着。

エルザ・スキャパレッリ《イヴニング・ケープ》1938年

三つ編みのドレス

ほどなくスラッと細身のロングドレスを着こなす素敵な女性に遭遇。
色も焦げ茶色で珍しくノーマルなデザイン。。。 と思いきや、 近づいてみると。。。

「無数の三つ編みでできている!!!」 しかも聞くと本物の人毛とのこと。。。

やはりこのパーティーには一筋縄ではいかない方々が集まっているのですね。人毛の三つ編みから 作られた このアドレスは、 やたらしっとりと全身にフィットしています。 さすが人間から作られた素材。
ちょいグロだけどエレガント、 ボディラインを良い感じで引き立ててくれるこのドレス、 着てみたいなあ。

小谷元彦《ダブル・エッジド・オヴ・ソウト(ドレス02)》(1997)

この他にも、コロナ禍のマスクで大活躍中の不織布に大きな目をプリントしたドレスや、 ザハ・ハディドの建築的シューズや、 ペンダントトップが無数の瓶のキャップなのだけどゴージャスなドルチェアンドガッバーナのネックレスなどなど、 アートに大変身させてくれる様々な「奇想のモード」に出会いました。

中でも異彩を放っていたのがダリの作品。 シュールとモードの幸福な出会いが生み出した「奇想のモード」を象徴するような作品たちでしたが、 写真を掲載できませんのでぜひ会場にて!
自分だけの「奇想のモード」を、まずは想像の中でまとってみてはいかがでしょうか。

ハリー・ゴードン《ポスター・ドレス》(1968頃)
ザハ・ハディド/ユナイテッドヌード  靴「NOVA Shoe」 (2013)
展示風景より、ドルチェ&ガッバーナのネックレス(2005秋以降-06)

【展覧会基本情報】

奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム
会期:2022年1月15日~4月10日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5–21–9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月(3月21日は開館)、3月22日
料金:一般 1400円 / 大学生 1120円 / 中・高校生 700円 / 65歳以上 700円

#東京都庭園美術館 #奇想のモード #シュルレアリスム #teienartmuseum

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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