Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

☆紳士のためのアートニュース☆若手作家達の才能あふれる入選作品53点!   『シェル美術賞展2016』開催中☆12月19日(月)まで☆

❖『シェル美術賞』とは❖

 時代を担う若手作家を発掘することを目的とする「シェル美術賞」は、今年60周年!美術界では「若手作家の登竜門」という評価を得ています。応募資格の年齢制限は40歳以下で、「シェル美術賞2016」へ応募した570名の作家達の平均年齢は29.8歳。審査員長である本江邦夫多摩美術大学教授によると、「応募人数は減っているものの、質はむしろ向上し、高い所での争いになった」とのこと。受賞作品8点に入選作品45点を加えた計53点が、国立新美術館で開催する「シェル美術賞展2016」にて展示されています。高い所の争いから選ばれた作品だけあり、ユニークかつ惹きこむ力が感じられる作品多数。色彩的にも家に飾りたいものが多かった印象!
 気になる彼女を誘って、「一緒に過ごす家に飾るならどれがいいかな?」などと話しながら観ていくと楽しそう。受賞・入選作家のみなさんは、街中のギャラリーでの展覧会にも積極的に作品を出しています。小品などを実際に購入する機会もあると思いますので、気になった作家さんの名前は要チェックです!

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作品が入選した作家全員が出席しての表彰式。全員出席は『シェル美術賞』で初めてとのこと。
表彰式の後には、審査員長である本江邦夫教授から1人1人に丁寧な講評があります。2列目中央は審査員の方々。
 ここからは、入賞作品から3点、入選作品から2点、筆者が気になった作品をピックアップしてレポートします。 画像と実物では、素材感や作品の雰囲気が全く違うものも多かったので、是非実際にご鑑賞なさることをお勧めします!

【グランプリ 小川直樹 「メモリアル」】 
  優れた作品が多く、4人の審査員が熟考に熟考を重ねて審査したという今回の『シェル美術賞』において、比較的すんなり決まったというのが小川直樹氏の「メモリアル」。透明に光り輝く画面は、確かに絵の前で足を止めさせる力があります。書斎に水が流れ込み、灯台の幻影が浮かぶ、現実と夢の狭間のような場面に自分自身も吸い込まれていきます。審査員の1人でアーティストの曽谷朝絵氏は「白昼夢のような光景には明るさと同時にはかなさや不安感もあり現代という時代が表出しているように感じた」と述べています。授賞式の1か月後にお子さんが生まれるという小川氏。おめでとうございます!

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小川 直樹 「メモリアル」 2016年 162 x 162 cm 油彩・キャンバス
 

【能勢陽子審査員賞 所彰宏 「見えないことで見えること」】
 独特の空気感に青い画面から不思議な顔がこちらをみつめている作品。すごく似ているわけではありませんが、夭逝したアメリカのグラフィティアーティストであるジャン=ミシェル・バスキアの作品を思い起こしました。この絵画というには不可思議な筆致は、サイアノタイプ(日光写真)という二百年ほど前の技法で制作されているからとのことで、独特のノスタルジーを喚起させます。審査員の能勢陽子氏は「記憶の形象化である集合写真によく合致する。ただし、そこに並ぶ人物の顔は動物やお面を被ったような姿に変形されており、児戯的なユーモアとあいまって、記憶の不確実さが浮かび上がってくる」と述べています。
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所彰宏 「見えないことで見えること」2016年 96.5 x 88 cm サイアノタイプ

【島敦彦審査員賞 木村鮎子 「白昼夢のままごと」】
 鮮やかなグリーンに花や草が散りばめられて、白いお皿のデザインも楽しく、ピクニックのような雰囲気もある作品。目立って平面的で布のようにも見ますが、油彩と色鉛筆で描いてある絵画というのも面白い。審査員の島敦彦氏は、「皿の上に配された植物や花びらがまるで摘み取ったばかりの新鮮さそのままに描かれているのに驚かされました」と述べています。曽谷朝絵氏からは、「近くに寄って見ると、一見単純に見える画面が実は大きな色面も含めて全てが細かい筆致の集積で描かれていたり … (中略)…絵画としての仕掛けや豊かさが随所に込められている」とのコメント。一旦油彩から離れ、再度油彩に戻って挑戦した作品が入賞したとのことで、喜びもひとしおだったのではないでしょうか!

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木村鮎子 「白昼夢のままごと」2016年 162 x 130.3 cm 油彩・色鉛筆・キャンバス
 

【入選:折笠晴美 「―光の戯れ―(マンション)」】
  夜のマンションの窓から、それぞれの部屋のいろいろな時間やライフスタイルが溢れ出すようにストーリーの想像が広がる作品。窓から漏れる光の色も水色、ピンク、黄色と優しく心地よい。窓に映るシルエットも、中に住んでいる人というよりは山、星、木というようにむしろ外界の風景のようなので想像と一緒に飛び立てるような楽しみが湧き上がります。審査員の本江邦夫氏の「夜のマンションの眺めをどこか昭和風にとらえた素朴な味わい」というコメントが意外と現実的で面白く感じました。昭和世代でマンション暮らしの経験があると響く作品なのかもしれません!

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折笠晴美 「―光の戯れ―(マンション)」
2016年 130×162cm 水可溶性油絵具・油彩・テンペラ・キャンバス
 

【入選:井澤由花子 「生命についての記号と視覚」】
 水彩だけで描いたとは信じられないような透明感と瑞々しさがあり、一度見たら忘れられない作品。子供が自分のお腹の中に居る時に見た風景というテーマで水辺(羊水)や絡み合う樹々(血管や肉)を清らかな色彩で描いてきた井澤氏。2人の息子さんも育ってきて、近年は風景の中に子供や母親だけではなく、動物が出現。入選作品には中央の水辺で茶色い鹿が水を飲んでいる姿に気品を感じます。審査員の能勢陽子氏は、「青一色で描いた森の中心に、わずかに薄茶色を帯びた鹿を配している。清廉な印象を与える青の濃淡と滲みに、温かみを感じる微量の薄茶が、生命のイメージと重なって印象的な効果を上げている。」とコメント。今後の展開も楽しみです!

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井澤氏と作品。作品:「生命についての記号と視覚」2016年 130×162cm 水彩・アクリル・水彩紙 

   クリスマスのイルミネーションも華やいできた六本木に、未来に向けて耀く若き芸術家達の作品を見てパワーをもらってみてはいかがでしょうか。ステキなアートデートになりそうですね。 
 それでは、みなさん、good luck! アートと共に楽しいひとときを!  

『シェル美術賞2016』オーディエンス賞結果発表!
来場者のみなさんによる2,092票の投票の結果、小林源さんの『告白』(シェル美術賞2016入選作品)が、シェル美術賞展2016「オーディエンス賞」に決定しました。

◆オーディエンス賞◆
小林 源 「告白」2016年 130.3×162cm アクリル・キャンバス
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生々しくリアルなトマトのグロテスクな姿が鮮烈でした!
※15位までの結果はこちらのリンク先のページをご覧ください。
⇒http://www.showa-shell.co.jp/enjoy/art/2016/winners.html#audience

【『シェル美術賞2016』開催概要】
【展覧会名】「シェル美術賞展2016」
【展覧内容】◆シェル美術賞2016受賞・入選作品 計53点
◆SAS作品展示
※詳細はシェル美術賞公式webサイト
http://www.showa-shell.co.jp/enjoy/art/
をご覧ください。
【会期】12月7日~12月19日 ※13日休館
【時間】10時00分から18時00分(入館締切17時30分)
※9日、16日は20時00分(入館締切19時30分)まで夜間開館。
※最終日19日は、16時00分(入館締切15時30分)まで開館。
【会場】国立新美術館 1階展示室1B(東京都港区六本木7-22-2)
TEL:03-6812-9921※会期中のみ
【入場料】一般400円、大学生200円 
*高校生以下、70歳以上の方、障がい者手帳等持参の方(付添の方1名を含む)は無料 

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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