Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

撮影OKな展覧会でアートな写真撮影。プロの写真家はこう撮る!森美術館「建築の日本展」☆2018年9月17日(月まで)☆~写真家・坂脇卓也、企画・菊池麻衣子~

嬉しいことに、最近美術館で「撮影OK」な展覧会が増えていますね。
自分で、または友達とカジュアルに撮るのも楽しいですが、とても気に入った作品に出会ったら、プロの写真家に撮ってもらうのもよいかもしれません。美術館の撮影OKスポットで写真家に撮影してもらったら、また新しいアートが生まれるのでは?と考えて今回の企画を実施。
 2018年9月17日まで開催中の森美術館の「建築の日本展」では、大型のフォトジェニックな作品5点とともに写真撮影可能ということで、こちらでフォトセッションを実施。さて、写真としての新しいアートが生まれるでしょうか?

 ❖フォトスポット①北川原温《木組インフィニティ》
 「建築の日本展」に入るとすぐに迎えてくれる木組みのウォール。
十字架のような幾何学模様が、無限に(インフィニティ)広がります。
釘を使わず、2つの木材がぴったり噛みあう立体木格子。
日本のこの木造スキルこそが、建築において世界最先端の洗練を実現している秘訣では?!
無限の木組みに惹き寄せられているところを撮影。木組みに没頭

©坂脇卓也

 
©坂脇卓也

 
©坂脇卓也

 写真家アンドレアス・グルスキーの無限感を醸し出す写真になりました。
そういえば、草間彌生さんも「Infinity Mirror Room(無限の鏡部屋)」や「Infinity Nets(ネット 無限の網)」シリーズを発表し続けていますね。「無限」は、アーティストにとっても、私達にとっても、魅惑的ですね。 

❖フォトスポット②原寸で再現した千利休作の茶室、国宝《待庵》
《木組インフィニティ》 の無限ウォールを通り抜けて木造建築の世界へ。
ほどなく、敷き詰めた木製チップの上に佇む茶室に到着。窓の外は、53階から眺める東京が広がる中、こちら側には、まるで閑静な山中で出会ったような茶室。
  この茶室《待庵》は、千利休の作と伝えられ、現存する茶室建築としては日本最古の国宝《待庵》(京都府・妙喜庵)を原寸スケールで再現したもの。
小さなにじり口(出入口)から中に入ると、そこは別世界。
二畳の空間に掛け軸がかかり、湿度を感じる薄明かりの幽玄。
夕日が差し込むような光の中でのステキなひと時を写真におさめることができました。

 
再現された茶室《待庵》外観©坂脇卓也

 
©坂脇卓也

 
©坂脇卓也

フォトスポット③齋藤精一+ライゾマティクス・アーキテクチャー《パワー・オブ・スケール》
 国宝《待庵》 の次は、シチュエーションがガラリと変わります。
齋藤精一+ライゾマティクス・アーキテクチャーによる、体験型インスタレーションの新作体験型インスタレーションの新作。最新技術のレーザーファイバーと映像を駆使し、日本建築の空間概念とそのダイナミズムを3Dで体感するステージ!
 近未来にタイムスリップしているところを激写されている感覚。

 
©坂脇卓也

❖フォトスポット④丹下健三の自邸を1/3スケールで再現した巨大模型
「美しいもののみ機能的である」と唱えた丹下が、桂離宮など日本の古建築を再解釈し、建築の新たな創造の可能性を拓いた《住居(丹下健三自邸)》(現存せず)が巨大模型で再現されています。実際の家を建てるように設計して精緻に建設された模型。
 美と機能が一致するというのは、河井寛次郎らの民芸運動の用の美と共通しますね。
普遍性を感じているところをパチリ。


©坂脇卓也

❖フォトスポット⑤「ブックラウンジ」
実際座って本棚の本を読んだり、インテリア作品の中でくつろげます。
休憩なさってる方々も多く、そのシーンがまたアートになっていました。
背景となっている「香川県庁舎執務室間仕切り棚」が幾何学的で、そのまま絵になります。
50年代に黒川紀章らが開始した建築運動「メタボリズム」の建築デザインも彷彿とさせます。
インテリアデザイナー剣持勇や長大作らによる戦後モダニズム建築を彩ってきた名作家具に座れるチャンス。

 
©坂脇卓也

【ブックラウンジにある作品】
香川県庁舎マガジンラック付ベンチ(1958年 デザイン:丹下健三研究室)
香川県庁舎執務室間仕切り棚(1955-58年 デザイン:丹下健三研究室)
香川県庁舎クローク荷物置き(1958年 デザイン:丹下健三研究室)
香川県庁舎陶製椅子(1955-58年 デザイン:丹下健三研究室)
香川県立体育館木製丸椅子(1964年 デザイン:剣持デザイン研究所)
香川県文化会館椅子(1965年 デザイン:大江 宏)
五色台少年自然センター椅子(デザイン:長大作(坂倉準三建築研究所)
チェーンデリア(1973年 デザイン:多田美波)

   展覧会で自分なりのアートを自由に創るというファンタジックな体験でした。
自分自身のインスピレーションで撮影するのもクリエイティブですし、自分では思いもよらない構図や瞬間を写真家に撮影してもらうのも非日常体験。是非トライしてみてくださいね!

【今回の写真家:坂脇卓也 プロフィール】
 フォトグラファー。北海道中標津出身。北京留学中に写真の魅了され大阪の専門学校でカメラを学んだのち、代官山スタジオ入社。退社後カメラマン太田泰輔に師事。独立後は自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。
ホームページ:http://takuyas1113.wixsite.com/takuyasakawaki

 【展覧会概要】
会場:  森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
会期:  2018年4月25日(水)~9月17日(月)
入場料:  一般=1,800(1,500)円
学生[高大生]=1,200円
子供[4歳〜中学生]=600円
シニア[65歳以上]=1,500円 *( )内は前売料金
休館日:   会期中無休
開館時間:10:00~22:00(火曜は17時まで開館、入館は閉館の30分前まで)
問い合わせ先: tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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