Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紅葉の京都&老舗美術商が開いたアートホテルでの物語

2022年11月17日~20日にかけて、新感覚のアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK)」に合わせて京都を訪れました。
ラッキーなことにたまたま紅葉のハイシーズン! こんなタイミングで京都に来られたのは生まれて初めてです。 ということで、 紅葉が美しかったスポット、 2年越しの願いが叶ってステイできたアートホテル「ART MON ZEN KYOTO」での体験を、お食事スポットやスイーツ情報も交えて写真満載でお伝えします。「ART MON ZEN KYOTO」滞在記はかなり後半に出てきますが、 是非ご期待を高めながらお読みになって下さいね! 調度品レポートや、 バーテンダーさんとの会話が面白いかも?!
☆アートフェアのレポート記事はこちらですのでよろしければぜひ!⇒https://note.com/artdiva/n/nc7a03c8ab6ae

京都ステイで最初に目も覚めるような紅葉に出会ったのは智積院

真言宗のお坊さん達の鮮やかな黄色い衣装と銀杏の黄色が意気投合
美しい日本庭園に上品な紅葉
ゴージャスな襖絵と紅葉の庭に挟まれて縁側でぽわーん
下鴨神社のもみじと鳥居の赤がシンクロ

下鴨神社すぐ近くの、 行列ができるみたらし団子店でひといき

大徳寺大仙院の紅葉はひときわ鮮やか

大徳寺聚光院の紅葉もひときわ鮮やか
赤いワンピースで紅葉にオマージュ

聚光院のお目当ては、狩野永徳筆 国宝障壁画 里帰り特別公開

でした! 写真はNGでしたので載せられませんが、松と鶴の障壁が 部屋3面を 囲む素晴らしい空間でした。

ディナーは京懐石料理の「なるや」

本格京懐石料理は初めて!

修行中の若手のお兄さんさんがホスピタリティ全開で接客してくれて楽しかった!コースの写真を載せてみます。

ボリューミーなクエ

アートホテル一軒目はMOGANA

です (https://yadomogana.com/)
フューチャリスティックなインテリアながら、 過ごしやすい心地良さもあるステキなアートホテル。 石造りの浴槽もたっぷりでリラックス! ベッドも寝心地良かったです。
このホテルならではの良かったところは、 ルームサービスのブレックファースト。
MOGANAは、コロナ前から、朝食堂に出てくるというドタバタを省き、ゆっくり 朝食を食べられるようルームサービスを 徹底していたとのこと。お料理の種類も豊富で美味しく、 とても豊かな 朝時間が流れました。

天井は川?を表現?
ホテルの一角は現代アートギャラリーでした

MOGANAホテルから二条城へ

は徒歩8分くらい!
大政奉還が実施されたお部屋や将軍が大名たちと謁見した お部屋などがそのまま残りしかも狩野派を中心とする絵師たちによる絢爛豪華な障壁画(レプリカ)が素晴らしい!!
見所が分かるのでガイドツアーがおすすめです! 周辺のお庭の紅葉もきれい!

京都で唯一城郭として世界遺産に登録されている! 白壁が美しく屋根のそりも絶妙。

考えてみれば、 大政奉還が行われた広間を そのまま 現代の私たちが見られるって貴重。
そして、 アートの視点から楽しかったのが、狩野派の障壁画がお城の中で立体的に飾られているお部屋の数々を、 きゅっきゅっとなるうぐいす廊下を歩きながら 見て歩けたこと。
もちろん障壁画は精巧に作られたレプリカなのですが、 将軍の威厳を示すための 大広間には、 迫力満点の虎たちが描かれていたり、 親戚や 身内の家臣が集まる部屋は、 鳥やお花などほっとするようなモチーフが描かれていたり、 お部屋の役割によってがらりと変えているところも 工夫に満ちています。 政治的なプレゼンテーションに、 アートの表現力も大事だったことが伝わってきます!
また、 特にヨーロッパなど海外の宮殿では、 自国のアートのみならず、アジアからの輸入品など エキゾチックな調度品も 活用して飾り立てていたりしますが、 二条城では、 一貫して(主に) 狩野派の障壁画でその威力を表現していることが印象的。
ガラパゴスだからこそ発達した迫力の日本美術なのかもしれませんね!

職人の遊び心でここにだけ描かれたという千鳥のモチーフ。 扉の下の方なので、 頑張って探した人だけが 見つけられるようになってます。

二条城からテクテク歩いて、

京都の洛中洛外図のような絶景が見られるという将軍塚青龍殿[しょうぐんづかせいりゅうでん]へ!

麓から30分ほど。汗ばむくらいのちょっとした登山状態💦登りきると、鮮やかな紅葉と絶景が待っていました!

「洛中洛外図のような景色が見られる」と、 浮世離れマスターズのつあおさんが教えてくれた場所。本当だ! この場で金色の雲を描き込みたくなる!

将軍塚青龍殿から降りていく途中には知恩院。

浄土宗の総本山とあって威厳に満ちたたたずまいです。
三つの四角い窓のように道路に向かって開けた門では、 20年ほど前に同じ場所で写真撮影した記憶が蘇りました。当時仲良くしていた、 赤く染めた髪の毛が魅力のアメリカ人、キャサリンと一緒だったような。。。 懐かしい。

駆け足で細見美術館へ!

Google でここから「徒歩15分」と出たのだけど、 「あと10分で閉館する」みたい!と 判明して一瞬たじろいだけど、 とりあえずトライしようと全速力で走ることに。 紅葉シーズンで結構混んでいる道の人々をかき分け、 映画の追跡シーンのような真剣な 走りだったと思います。笑
閉館ジャストの16時半に到着してセーフ♪

命がけの全速力からの、 リラックマ日本画。。。だつりょく~!笑
半端ない脱力感! キイロイトリが一番好き💛

夜は、 「うなべ」

うなべ、うぞふすい、まむし丼など、個性的ながら美味しくボリュームたっぷりな料理を出してくれる 「わらじや」へ!「うなべ」こと「うなぎの雑炊」初めて食べた!

そして、 3年ほど前に雑誌で見て以来、絶対に泊まりたいと思っていた

アートホテル 「ART MON ZEN KYOTO」

へ!https://www.ikyu.com/00002505/
このホテルは、 本物の美術品を各部屋に設えていて、「美術館に住む」という夢を叶えてくれるホテル。ラウンジ、レストラン、バーには、インテレクチュアルなセンスが輝くエレガントなアートが設えられ、クラシック音楽の名演奏を聴きながらくつろげます。 お部屋の家具調度品やアート作品も、美しいだけでなくコンフォタブル。バストイレや洗面所も、 使いやすいように気遣いが隅々まで行き届いています。
朝ごはんのフルコースも、 「ヘルシーなアート」でした♪
長期滞在して小説でも書きたくなる?! ホテルです。
突然、アートでシュールな幻想小説がペン先から流れ出してきてもおかしくない!

ロビー入ってちょっと斜め下の半地下スペースは、 畳を囲んだモダン茶会スペースのような空間。 樂家による樂焼作品が散りばめられるように展示してあり、 凛とした空気が流れます。
さらに斜め下方へ目を向けると、 グランドピアノのあるダイニングスペースが広がっていて、優雅。 どんな貴族がこちらでお食事を?と 憧れるのですが、 なんと、翌日のブレックファストでこちらの空間を体験することになります。
手の込んだ大ぶりの焼き物越しに見えたのは、 能面の「翁」!古美術商ならではのラインナップかな。
ウェルカムドリンクは、 シャンパンの「マリーワイス/Marie Weiss」をいただきました。キリッとした辛口。この雰囲気、和洋折衷なわびさび感がいいですね~♪
シャンデリア越しに見える先ほどのピアノの部屋。 ダンスパーティーも良さそう!
ART MON ZEN KYOTOの外観はこんな感じ。 内装のゴージャスさに比べるとシンプルで、 コンテンポラリーマンションといった趣。
広々としたベッドは心地よく、 よく眠れましたよ♪
本物のアートが 部屋に展示してあるのもART MON ZEN KYOTOの特徴。 無数の青海波が精密に 掘られたグラスセットが飾られていました。 貴族が注文したと考えられるとのこと。 ライトアップをつけたり消したりできるのが面白い。ナイトキャップをこちらに注いで寝たら、 どんな夢が見られるのかな?

地下2階のバーも訪れてみました。 実は、 細見美術館の展覧会チケットとカクテルがセットになったサービスがあったのです。夕方に観賞した、「細見コレクションの琳派・若冲作品とともに日本のポップカルチャー を代表するキャラクターが登場する現代日本画を展示する」という一風変わった展覧会とのコラボカクテルを出してくれるとのこと。「 初音ミクの髪の毛と同じ水色なんじゃないの?」 とダンナさん。 バーテンダーさんがニンマリしているところに、すかさず私は「 ブルーキュラソーのブルーはないでしょ~」とけん制。 すると、「ブルーが入ったカクテルを考えていましたが、ちょっと変えてアレンジしてみます! 」 とバーテンダーさん。 機転によりこんなカクテルを出してくれました。 黄色にうっすらグリーンを感じる爽やかなカクテル。 バーテンダーさんありがとう。

左の方に目を向けると、カッティングが素敵な色とりどりのグラスとボトルが!「これはバカラの限定のアンティークグラスです。キャンペーンによっては、こちらのグラスを使ってカクテルをご提供することもあります」とのこと。わー、次回は是非そんなタイミングで来てみたい。 そんなアンティークグラスに注がれたカクテルが、 テーブルの端からスーッと送られてきたら? 007ミスターボンドの世界。 このホテルならありえる!

高級磁器窯、ドイツ、マイセン窯のパゴダ人形もあり!パゴダは中国の神の坐像の形をした香炉、または小像。1760年プロシアのフリードリッヒ2世が10個のパゴダを注文して、マイセン初期の造型師ケンドラーが型をつくったそうです。頭がゆらゆらと動くと舌がでたり、両手も動く仕掛け人形!当時の欧米から見たアジア人のステレオタイプを揶揄したようで、 奇妙な風貌ですが、 ご愛嬌。 お酒を飲んでワッハッハと笑ってる感じが愉快♪

見事なバカラのアンティークコレクション!あの細長いカラフェから注いでもらうのがまた良いんですよねきっと!
さりげなく小磯良平の絵も飾ってある!

この後のバーテンダーさんとお話が弾み、 「琳派が好き」という 話をしていたら、 この後秘蔵の琳派の作品を見せてくれるということに! さすが老舗の美術商さん。
先ほどの、 畳のあるスペースに移動して、奥から 箱を持ってきてくれました。
丁寧に開けて、中から取り出してくれたのは、 なんと尾形乾山による大きめのおちょこ。外側の抽象的な模様もさることながら、 内側がすべて明るいよもぎ色のようなグリーンで染められているのがステキ。 もってみても良いとのことでしたので、 うやうやしく 手に取り、 これでぬる燗の日本酒を飲んだと想像しました。 こんなアドリブの劇場みたいな 出来事があるなんて!俄然 ART MON ZEN KYOTOホテルの大ファンになりました♪

爽やかに目覚めた朝のブレックファストの様子は、 写真でお伝えします!
シューマンのコンチェルトなど麗しいクラシック音楽が流れる中、 憧れの、 貴族的ブレックファスト♪

ART MON ZEN KYOTOから

祇園経由で15分ほど散歩しながら建仁寺へ

向かいました。
そう、泣く子も黙る、俵屋宗達筆の国宝「風神雷神図屏風」で有名です。
展示されているのは高精細複製作品ですが、鎌倉時代に開かれた趣深い建物の中でどんな風に見えるのかしら?

アオサギさん発見! 遠くから徐々に近づく!
アオサギさん発見! 遠くから徐々に近づく!
「アオサギさ~ん」と声をかけながら近づき、 こんなに至近距離でお話できましたよ。サンキュー!

建仁寺の後は、 京都国立博物館へ!

歩いて10分ほど。
千利休生誕500年記念ということで大々的な「茶の湯展」開催中。
茶の湯の歴史を駆け抜けたら、敷地内の前田珈琲で休憩。
Art Collaboration KyotoのVIPカード提示でコーヒー一杯無料のサービスをちゃっかりと活用させていただきました!

夕方には新幹線に 乗らないといけないのだけれど、 帰る前に抹茶パフェを食べたいねと話していました。 でも、 祇園のカフェはみんな行列だったなーと考えていると、

すぐそこに「七條甘春堂 本店」が!

意外とすんなりと入れました。 ここは穴場♪
抹茶パフェと、 特大の抹茶わらび餅をいただけてハッピー🍵

紅葉豊かな京都は、 アートも食べ物も素晴らしく、 夢心地のステイでした♪
タクシーは使わなかったので、 毎日徒歩2万歩超え!
松尾芭蕉さん、ドヤ!
たくさん歩き、食べ、パワフルにアートと戯れる♪
京都から帰っても、 どこへ行っても、そんな日々を続けたいものです!!

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菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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