Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

コロナとの共存も丸2年!今回入選のアートはそんな日常を穏やかに反映してるみたい☀ そして新たなフェーズに 向かっていく! FACE展2022☀

「年齢・所属を問わず、真に力がある作品」を公募しているのが特徴なので、 毎回多様性に富んだ作品が入選していて見応えのあるSOMPO美術館の「FACE展」☀毎回楽しみにしていましたが、 今年でなんと10回目♪

プロアマ問わず幅広い年齢層の方々による自由な作品が溢れる会場は、いつもその年の時代の空気をふわっと捕まえている感じが魅力です。
プレス内覧会より、入選作品を中心にそんな雰囲気をお伝えします。

1.グランプリは神話の世界に遊ぶツインの子供

新緑と青い湖が爽やかな森で遊ぶのは双子の男の子?
グランプリは新藤杏子さんの《Farewell》です。

《Farewell》 新藤杏子 2021年 油彩・キャンバス 162×194.5cm 展示風景

お腹をぷかーっと空に向けて湖に浮かんでいる男の子がユニーク。そしてその子を岸からのぞき込んでいる男の子が全く同じ顔をしています。 

なんとも牧歌的な情景ながらちょっと不思議。 じっと見てると、 なんかこの浮かんでる男の子のポーズがシェイクスピアのヒロイン・オフィーリアに見えてきた! 周りにお花も浮いてるしなー。 ということは、 この二人はハムレットごっこをしているのか?! なんとも知的でませている! でも、コロナの影響で 学校がお休みになったりして、 暇つぶしで兄弟シェイクスピアを読んだり、 それに飽きたら自然の中で演じちゃったりしたのかな? なんかかっこいい♪

覗き込んでいる男の子は、 もしかしたら、 水面にうつる自分の顔に惚れたナルキッソスかもしれません。

2.審査員特別賞はマツシタユキハ。さんの《一人で死にたくない》!

1K一人暮らしらしきその部屋は、 画材や洋服や飲み残しの酒やペットボトルで足の踏み場もないほどごちゃごちゃ。しかも女子のお部屋らしい。。。

《一人で死にたくない》(審査員:野口玲一) マツシタユキハ。 2021年 岩絵具・和紙 162×162cm 展示風景と作者

と思って横を見ると、 素敵なワンピースを着た可愛らしい女性が立っています。「 これはご自身のお部屋ですか?」 と聞くと「 そうです」 とのこと。 ということは、 部屋の奥のベッドにうずくまって座っているのも彼女! そして《一人で死にたくない》と思っているの?!
でも、 ここに立っている画家本人は、 至って明るく普通に話してくれます。

それにしても、見かけによらないの極地だな~。この散らかりようと、20代なのにもう孤独死を考えているなんて。。。「本当にこんなに散らかってるんですか?」と聞くと「はい。ものすごく散らかっている時をあえて写真に撮って残しています。コロナで大学のアトリエが使えなくなったので、普段にもまして画材などが散らかり、こんな風になってしまったのです」とのこと。
そうか~!美術大学には、学生のためのアトリエがあるのね。 そしてコロナ中は 使えなくなったから、いやおうなしに1Kのお部屋で制作しなければならなかったんだ!
そんなことを知るきっかけにもなったし、 何より、もはや「 コロナ禍を描こう」 と気張らなくても、 日常の風景を描いただけでありありとその影響が画面に充満するということにびっくり。

それにしてもよく これだけ散らかしたなあ! それだけステイホームで長時間部屋にこもった蓄積も表してるのですね。特別賞の審査員は野口玲一さん。

3.絵の中で楽しい山歩きができちゃう! 読売新聞社賞を受賞した只野彩佳さんの《彩歩き》

2枚の絵巻物が上下に配置されたようなエレガントな構図に、 めくるめく色彩が絡み合うこの作品には瞬間的に魅了されました。 近づいてみると、 壮大な山脈の風景が描かれています。

《彩歩き》 只野彩佳 2021年 紙本着彩 130×194cm 展示風景と作者

近くにいた作家さんに聞くと、北アルプスの山荘のアーティストインレジデンスで制作したとのこと。 それにしても聞いてびっくりだったのがその表現方法。「1日の山登りで見た色々な場面を 細かく刻んでひとつの場面に集めているのです。」えっ?! でもどうしてこんなに綺麗に一つの山の風景として完成しているの? ちょっとよくわからなかったので、絵にググっと近づいて一緒に絵の中を山登りしました。「 まずこの板の歩道から始まって、 この辺まで来ます。 するとほら頂上が遠くの方に見えるでしょう。 これをここに描きました。 そして しばらく登っていくと、 眼下にパーッと開けたのがこの風景。 それからまたまた歩いて頂上に到着。 そこから見渡した風景がこちら。 実際にここからは見えないけど登る途中に見えた風景も入れてあります。 そしてほら、 あそこが昇り始めた地点ですよ」 まあ、なんて楽しいんでしょう♪  山を登る時の「 次に何が来るかな?」 というワクワク感をリアルに体験出来ちゃいました。 そして、 1日の様々な場面が、 こんな風に一つの絵になるんだなということもわかって超充実。

《彩歩き》クローズアップ

伝統的な絵巻物も、 いろんな時間帯が長い巻物の中に一緒になってるけど、只野さんの、 1日がぎゅっと詰まった絵巻物語は、 コンテンポラリーバージョンですね! 

そして、 他にも異次元トリップさせてくれる作品がいっぱい!

審査員特別賞《お花ランド②》(審査員:大島徹也) 飯島ひかる 2020年 油彩・キャンバス 130.3×162cm
審査員特別賞《暗い瓦礫と栄光の瓦礫》(審査員:藪前知子) 髙橋洋平 2021年 アクリル・廃棄塗料・キャンバス 130.3×162cm
審査員特別賞《Mountains sesh》(審査員:椿 玲子) 堀花圭 2021年 岩絵具・水干・胡粉・麻紙 162×194cm

現実と仮想の狭間、 夢と現実の狭間、 見たことがありそうなのに絶対存在しない風景、 そんな作品にたくさん遭遇したのも印象的でした☀

【開催概要】 
会期:2022年2月19日(土)〜2022年3月13日(日)
会場:SOMPO美術館 
観覧料:一般 700円 高校生以下 無料
URL: https://www.sompo-museum.org/

◆グランプリ◆(賞金 300万円)
新藤杏子(しんどう きょうこ)作品名:《Farewell》

◆優秀賞◆(賞金 各50万円)
大山智子(おおやま ともこ)作品名:《AMAKUSA》

矢島史織(やじま しおり)作品名:《光の森》

石神雄介(いしがみ ゆうすけ)作品名:《星を見た日》

◆読売新聞社賞◆(賞金 30万円)
只野彩佳(ただの あやか)作品名:《彩歩き》

◆審査員特別賞◆(賞金 各10万円)
●野口玲一審査員 マツシタユキハ。作品名:《一人で死にたくない》

●大島徹也審査員
飯島ひかる(いいじま ひかる)作品名:《お花ランド②》

●椿玲子審査員 堀花圭(ほり はるか)作品名:《Mountains sesh》

●藪前知子審査員 髙橋洋平(たかはし ようへい)作品名:《暗い瓦礫と栄光の瓦礫》

◆ほか入選者(74名 、50音順)
阿部亮平、アンタカンタ、安藤充、井口広大、石川功、石橋暢之、石原陸郎、IZUMI、おかもとかおり、奥谷風香、おさきまりこ、越智俊介、鬼塚正、小野仁美、河端政勧、カワムラナナ、木俣創志、木村美有、霧生まどか、倉田和夫、倉田紗希、近藤茉由、齋藤春佳、斉藤耀地、坂田桃歌、桜井旭、櫻井あすみ、笹本明日香、佐藤英里子、篠原由香、島田悦子、下野哲人、杉浦晶、ZFF、芹澤美咲、高野勇二、立野陽子、田内泰生、朝長弘人、長尾圭、中小路萌美、中嶋弘樹、中野ともよ、中屋彰二、成瀬拓己、野片恵理子、野中美里、長谷川ヒロキ、濱田和樹、福田絵理、福田さおり、福田紗也佳、福田良亮、福元成龍、保阪栄美子、本間優梨、前田大介、松田豊美、巳詠・グレース・内藤、三井悠華、ミノリ、望月強、桃山三、もりさこりさ、柳澤学海、山中眞理、由芽、吉川智章、吉田花子、ヨシミヅコウイチ、米蒸千穂、LIMKEH SOON、六無、我

#SOMPO美術館 #FACE展 #FACE展2022

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ