Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

実は本物見るの初めて?旅先の路上でバンクシー作品に出くわした!そんなリアル体験に没頭してみよう☆『バンクシー展』@横浜・アソビル☆9月27日まで☆

イギリスを拠点に活動する匿名の芸術家バンクシー。世界中のストリートを舞台に壁や橋などに描く時事問題的モティーフも刺激的で、話題に事欠きません。彼自身もSNSで作品画像を発信していますし、ネットにも多くの画像が出回っていますが、ふと考えてみると、本物を見たことはありますか?

まず第一に、バンクシーのグラフィティ作品の大半は壁面に描かれるため、すぐに塗りつぶされてしまったりして、現存しているものは多くないのです!ということは、彼の真骨頂であるストリートアートの現物を見たことがある人は、実はとても少ないのではないのでしょうか?

 


2017年に英国ドーバーに登場した、EU旗の星を削り取る作業員の姿を描いたこの風刺画も、ある日突然消された。

 ただ、バンクシーがクレバーなのは、路上に描く作品だけに終始するのではなく、同じモティーフを原画、版画、立体オブジェとしてアトリエでも制作しているところ。例えば、オークション会場で落札された瞬間に作品が切り刻まれた“シュレッダー事件でも有名になった《ガール・ウィズ・バルーン》。ハート型の風船に手を伸ばす少女を描いたこの作品は、もともと2002年にロンドン・ウォータールー橋に描かれたものなのです。バンクシーはその《ガール・ウィズ・バルーン》を版画にしていて、600枚刷っています。このようにして、所有するのが難しい路上作品だけでなく、画廊やオークションを通して人々が手にすることができる絵画や立体作品も制作することで、アートマーケットでの価値もしっかりキープしてきました。


会場に展示されている《ガール・ウィズ・バルーン》

 彼自身は、オークションなどでアートが高額で取引される状況を風刺的に描いたりもしていますが、プロの芸術家として作品から収入を得る仕組みは、したたかに整えていると言えるでしょう。
 おかげで、世界にはバンクシーがアトリエで制作した作品を持つコレクター達が複数存在します。今回の展覧会は、そのようなコレクター達の協力のもと、本物のバンクシー作品70点以上を鑑賞できる機会となっているのです。

    なんといってもこの展覧会がすごいのは、それらのアトリエで制作された額入りの作品と、それらのモティーフがもともと描かれていた壁や建物の現場の再現が隣り合わせで展開されているところ。

 
街角の壁に描かれた「RAT」シリーズ   マーケットに流通している版画の「RAT」シリーズ

 最初にバンクシーが路上に描いた作品を生々しく体験しながら、それがアトリエで持ち運び可能な形になった作品も同時に鑑賞できます。そして、立体的に再現された、街中のバンクシー作品の光景は、いくつかフォトスポットになっています。彼がどんな状況でそれを描いたかにも思いを馳せつつ撮影してみては?!


警察官に対する風刺画が描かれた壁のあるフォトスポット「警察は、『ごめんよ、職務を果たしているだけなんだ』と毎回毎回言いやがる」と書いてある。

    
少年に降り注いでいるのは、雪ではなくて灰。こちらもフォトスポット。

 今なお紛争のつづく地・パレスチナにバンクシーが作った泊まれるアートホテル「ザ・ウォールド・オフ・ホテル(THE WALLED OFF HOTEL)」の1室を再現したスペースでは、複雑な体験をしました。
 シリアスなテーマにドキッとしつつも、バンクシー仕立ての平和的描写にホッとしたり、そうはいっても、実際行ったとしたらと想像するとやっぱり怖くてゾクっとしたり。


小ぎれいな部屋の壁には、スカーフを巻いた男と兵士が“枕”で争う姿が描かれている。
紛争なんかやめて、こんな戯れにしてしまうことができればよいのに!

 ホテルの外観も、写真やネオンサインで再現されていて、真っ青な空に映えるリゾートのような建物や、アメリカンロードムービーに出てきそうなネオンサインを見ると一瞬行ってみたくなるものの、生半可な気持ちで行く場所ではないことも同時に実感。フォトスポットの中でも特にいろいろと考えさせられる場所。


「ザ・ウォールド・オフ・ホテル(THE WALLED OFF HOTEL)」

 ここまで体験して感じるのは、バンクシーは作品の中に様々な思考やヒントを仕込んでいるのだけど、それに対するリアクションを自由に開放しているということ。正解はないので、それぞれの解釈でよいのです。だからこそ、共感を呼び、モスクワ、サンクトペテルブルク、マドリード、リスボン、香港を巡回したこの展覧会も、100万人以上の人々を熱狂させたのではないでしょうか。また、相当シリアスなテーマも、ずっと眺めていられるクールなビジュアルと胸がすくような風刺が効いているからこそ私たちの心にストレートに訴えかけてくるのだと思います。
 ラストにおすすめしたいのが、あの《ガール・ウィズ・バルーン》のフォトスポット。希望のシンボル?のようなハートのバルーンは、果たして飛んで行ってこうとしているのか、こちらに引き寄せられているのか?!そのイメージも自分次第。思いを込めてポーズをとってみてはいかがでしょう!

   

 さてさて、ここでみなさんにお伝えしておきたいのは、『バンクシー展』の会場があるアソビルのこと。アソビルは、横浜中央郵便局の別館部分をリノベーションした複合型体験エンタメ施設で、地下1階と4階建ての建物です。かつては、大量の郵便物の集配所だったとのことで、各フロアが広大。それぞれのフロアが、様々なテーマで、新感覚のエンターテインメントコンテンツを体験することが出来るようになっています。

今回は、アートデート前後におすすめのアソビル内のおすすめスポットをご紹介します。
①小腹がすいたら1階の「アソビル横丁」へ!
 “横浜が好きな人による、横浜を好きになってもらうための場所”というテーマのもと、18の飲食店が集まるグルメストリート。広報の田代絢美さん曰く、行列のできるチーズバーガー専門店「DAIGOMI BURGER ダイゴミ バーガー」、「横浜で食べるべき料理5選」にも選出されている「焼きそばセンター まるき」、本格的な鮨を気軽に食べられる「立ち食い鮨 鈴な凛」などがおすすめ。日本酒やクラフトビールがおいしいお店も多いので、夜が特にたのしいかも!

②「ものづくりワークショップ」が体験できるハンドメイド体験フロア。3階の「MONOTORY」。
アクセサリー、トートバッグ作りなど、大人も子供も楽しめます。

③“上質な大人の遊び場”をコンセプトとしたアミューズメントバーラウンジが地下1階に!
 様々なアートが飾られたラグジュアリーな空間で、日本屈指のバーテンダーが監修したカクテルや、横浜で造られたワインなどが楽しめるとのこと。郵便物集配所の駐車場だったとのことで、そのデザインがそのまま生かされた、映画のセッティングのような空間。ここがまた広大でびっくり。アメリカンでシュールなアートがいたるところに描かれていてオシャレ。広くてファンタジックな個室も7部屋ほどあって充実しています。※現在は、コロナの影響で貸切イベントのみ実施とのこと。

【展覧会概要】
展覧会「バンクシー展 天才か反逆者か(BANKSY GENIUS OR VANDAL?)」 会期:2020年3月15日(日)〜9月27日(日) ※定休日なし ※3月28日(土)から臨時休業していたが、5月30日(土)より再開 会場:アソビル 住所:神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル 2F 時間:〈7月1日(水)〜〉平日 9:00〜20:30(最終入場 20:00) / 土日祝日 8:00〜20:30(最終入場 20:00) ※2020年10月に大阪で開催、その後地方に巡回予定

 

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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