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紳士のためのアートニュース☆激情があふれ出る書!天下の劇跡 顔真卿の書《祭姪文稿》が東京国立博物館に来る☆2月24日(日)まで開催

    天下の劇跡、顔真卿(がんしんけい、709–785)の《祭姪文稿(さいてつぶんこう)》(758)が東京国立博物館 平成館の特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」展にて初来日。本作を所蔵する台北 國立故宮博物院ですら保全のために数年に1度しか展示されず、台湾を離れるのは、ワシントンのナショナルギャラリーでの1997年の展示以来。今展に、台湾や中国本土からもわざわざ見に来るほどの書とは、そして顔真卿とは一体何者なのでしょうか?

特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」展エントランスのバナー 

  実のところ、筆者は「書」の展覧会と聞くと、華やかな絵画展ほどときめかなかったのです。特に書を習ったり造詣が深いわけではないのでなおさら鑑賞のポイントがつかめないかもしれないと思っていました。最初のコーナーは、想定の流れで、書体の変遷や有名な書家を紹介しつつ進んでいきます。そして第三章に今展の主役、顔真卿が登場します。まずは予想外の展示風景。赤地に黒の多数の短冊に書が躍るインスタレーションのような展示空間を前に立ち尽くす。

顔真卿(がんしんけい)による《祭姪文稿(さいてつぶんこう)》の展示室 

そして、ついにガラスケース内の《祭姪文稿》に近づきます。始めのほうに並ぶのは、端正な文字。
 ところが、後半に目を移すと、太くなったり、にじんだり、丸で囲んであったり、乱れほとばしる激情があふれる書の強烈な一撃に呆然!こんな書は見たことがない!※ガラスケース内の実物は、是非会場にて実際にご覧ください。こちらには、短冊に拡大された文字の画像を掲載します。
   
「顔真卿(がんしんけい)筆 祭姪文稿(さいてつぶんこう) 唐時代・乾元元年(758) 台北 國立故宮博物院蔵」の拡大部分が印刷された短冊

  なぜこのような書が生まれたのでしょう?
 755年に安禄山と史思明らによる安史の乱が勃発すると、玄宗皇帝は成都に亡命し、唐の都長安は安禄山らに占領されました。内乱は763年にようやく収束します。顔真卿は義兵をあげて乱の平定に大きく貢献しましたが、従兄の顔杲卿とその末子の顔季明は乱の犠牲となってしまいました。「祭姪文稿」とは、顔真卿が亡き顔季明を供養した文章の草稿なのです。
顔真卿が叫び、涙を流しながらこの書を書き上げた姿が目に浮かぶようではないですか!
 この顔真卿による“情感を発露する書風”は、宋時代に受け継がれ、「書は人間性によって価値づけられる」という考えから古人を模倣しない個性的な書が尊ばれるようになったとのことです。顔真卿は、書の歴史をも変えたのですね。
 一緒に「顔真卿展」を見に行った中国人の友人も大感激。自らも顔真卿の書から習ったとのことです。現代の中国人が書を習う際に、一番人気の1人が顔真卿とのこと。鑑賞後に東京国立博物館近くのカフェで軽食を食べていると、友人が持っていた図録をじっと見ていた若い中国人観光客が、「どこで手に入れたのですか?」と早速聞いてきました。東京国立博物館の「顔真卿展」と伝えると、「明日見に行って図録も買う」と即答。顔真卿の人気を目の当たりにした瞬間でした。
 顔真卿による《祭姪文稿》にフォーカスしたレポートですが、「王羲之の書」、「山東省泰山の崖に刻まれた唐玄宗筆《紀泰山銘》の巨大拓本インスタレーション」、「酒を飲んで自己を解放し、草書で胸中を吐露した、懐素による伸びやかで気持ちの良い書」など、みどころたくさん。

王羲之の書


唐玄宗筆 《紀泰山銘》 唐時代・開元14年(726) 東京国立博物館蔵


懐素筆 《自叙帖》 唐時代・大暦12年(777) 台北 國立故宮博物院蔵

 書の魅力に目覚めてしまうきっかけになりそうな展覧会です。
それでは、みなさん、good luck! アートと共に楽しいひとときを!

 【展覧会概要】
タイトル:特別展『顔真卿 王羲之を超えた名筆』
会期:2019年1月16日(水) ~ 2019年2月24日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
開場時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日:月曜日 ※ただし2月11日(月・祝)は開館、翌12日は休館
https://ganshinkei.jp/

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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