Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

日本美術の動物の描き方比較が面白い!3つの同時期開催おススメ展覧会☆日本の3巨匠たちの展覧会に行くとわかること☆

2019年2月~3月にかけて、日本美術の3大展覧会が都内で開催中です。近世、近代、近現代に活躍した葛飾北斎、河鍋暁斎、奥村土牛の展覧会。それぞれたくさんの動物を描いていて、今回3つの展覧会を数日間のうちに見に行って面白いポイントが浮かび上がってきました。
【日本美術の3つのおススメ展覧会】
葛飾北斎☆すみだ北斎美術館『北斎アニマルズ』展☆2月5日~4月7日まで開催
河鍋暁斎☆サントリー美術館『河鍋暁斎 その手に描けぬものなし』展☆2月6日 ~3月31日まで開催
奥村土牛☆山種美術館『生誕130年記念 奥村土牛』☆2月2日 ~ 3月31日まで開催

①の葛飾北斎は、写実力抜群の天才だったはずなのに、どうしても犬に見えない!どうしても猿に見えない!といった不思議な動物たちも多数。肉筆画と浮世絵の違いもあるのかもしれませんが、近世独特の想像的・妖怪的世界がまだまだ色濃いのかも。河童などが現実世界に見え隠するところも中世的要素も感じられ、ミステリアス。
 
すみだ北斎美術館の『北斎アニマルズ』展に登場する動物たち。 ※写真左上:動物占いとコラボしたフォトスポットもあります。

②河鍋暁斎も「その手に描けぬものなし」というタイトルがつくほどの鬼のような絵描きの天才。北斎の浮世絵よりも、更に現実世界に近い写実的動物たちが出てきます。黒光りする烏などはその象徴!担当の池田芙美学主任芸員も強調していた狩野派の流れをくむ鍛錬を感じます。ちょうど江戸から明治を生きた暁斎だからこそ、北斎のような近世的要素と、現代に向かう近代的要素がブレンドしています。写実的で無邪気な鷹が風神を追いかけるといった、空想的写実が魅力。

サントリー美術館『河鍋暁斎 その手に描けぬものなし』展に登場する動物たち
上:豊干禅師と寒山拾得図 河鍋暁斎 東京国立博物館〔展示期間:2/6~2/18〕
下右:枯木寒鴉図 河鍋暁斎 明治14年(1881) 榮太樓總本鋪〔展示期間:2/6~3/4〕
下中央:鷹に追われる風神図 河鍋暁斎 明治19年(1886) イスラエル・ゴールドマン・コレクション(ジョサイア・コンドル旧蔵)
下右:鶴図屛風 河鍋暁斎 明治3年(1870)以前 河鍋暁斎記念美術館〔展示期間:2/6~3/4〕

 ③前者の2人と比べると、奥村土牛の動物たちは全然違う!写実的でより丸くなった可愛さがあるのですが、やはり「日本画」という近現代のジャンルを感じます。「抽象的要素」が入ったところが大きいように感じます。北斎と暁斎は「想像」、土牛は「抽象」(意識的)。そんな違いを感じます。

山種美術館『生誕130年記念 奥村土牛』に登場する動物たち
  ちょうど同時期に始まった3人の展覧会で動物の絵をたくさん見たので、違いが浮き上がってきました。この3巨匠の個展が重なる貴重な機会はなかなかないと思いますので、是非出かけてみてくださいね!
両国、恵比寿、六本木と散策も楽しいエリアですので、デートがてらにもぜひ!

 それでは、みなさん、good luck! アートと共に楽しいひとときを!

 【展覧会概要】
❖すみだ北斎美術館『北斎アニマルズ』展
スケジュール:2019年02月05日 ~ 2019年04月07日
ホームページ:http://hokusai-museum.jp/animals/
入場料:一般 1000円、大学生・高校生・65歳以上 700円、中学生 300円
アクセス:〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2

 ❖サントリー美術館『河鍋暁斎 その手に描けぬものなし』展
スケジュール:2019年02月06日 ~ 2019年03月31日 ※期間中展示替あり
ホームページ:https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_1/
入場料:一般 1300円、大学生・高校生 1000円
アクセス:〒107-8643 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階

 ❖山種美術館『生誕130年記念 奥村土牛』
スケジュール:2019年02月02日 ~ 2019年03月31日
ホームページ:http://www.yamatane-museum.jp/exh/2019/togyu.html
入場料: 一般 1200円、大学生・高校生 900円、中学生以下無料
アクセス:〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

おすすめのたしなみ