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紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのアートデート

Vol.13 葛飾北斎の天才ぶりや遊び心を楽しめる!すみだ北斎美術館開館!開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」は2017年1月15日(日)まで☆

❖北斎美術館誕生❖

 江戸文化を代表する画家で、今や世界中にその名を知られる葛飾北斎。その北斎の本格的な美術館が、彼が90年の生涯のほとんどを過ごした墨田区に誕生しました。両国駅が最寄りで、近くには隅田川が流れます。

 メタリックで大胆なスリットが入った建物が見えたらそれがすみだ北斎美術館。江戸時代の北斎が現代によみがえるとこうなるのか!と思わせる超現代的な外観です。設計者が、今をときめく妹島和世氏と聞いて納得。スリットを通して町が見えたり、鏡面アルミパネルに町が映り込むことから、町にブレンドするフレンドリーな美術館です。
 建物もかっこいい最新のアートスポットで北斎の粋を感じながらデートを楽しめそう!

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すみだ北斎美術館開館の外観

 【北斎の息遣いが身近に!】

 開館記念展は、「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」。第一展示室では、江戸時代の後期に約90歳まで生きた天才画家北斎の人となりが伝わるような展示。白髪の蓬髪で鼻と耳が人一倍大きいとか、墨田区内を中心に93 回にわたる引っ越しをしたなど生身のオモシロエピソードが伝わります。

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伊藤 晴雨作「葛飾北斎肖像」
 

 1 章の「北斎の描いたすみだ」では、この地で生まれ育った北斎の眼を通して描かれた江戸時代の「すみだ」が鮮やかに展開されます。春は隅田川堤の花見、夏は両国の川開きと花火、秋は秋葉権現の紅葉狩り、冬は隅田川の雪見などといった季節の風物、三囲稲荷や牛御前、回向院など著名な神社仏閣と、当時の情景がよみがえります。

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新版浮絵三囲牛御前両社之図
 

 あの北斎の別名「画狂老人卍」がしっかり登録されています!江戸時代の著名人の人名録である「当時現在広益諸家人名録」にこのユニークな名前が刻まれている貴重な資料。「居住不定」となっているのも珍しかったようです。

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「当時現在広益諸家人名録」

【北斎と遊べる?!常設展】

 ご存知、北斎作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の大波に迎えられるのは、最新技術により北斎とその作品を様々な側面から紹介してくれる展示室。絵手本をタッチパネルモニタで紹介する『北斎絵手本大図鑑』、高精細画面モニタでの錦絵鑑賞、錦絵の制作工程を映像も交えて紹介するコーナーなどで自ら参加するような感覚で鑑賞できます。

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「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の波に迎えられる入口

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現代的で見やすい解説コーナー

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北斎は、自ら漢方薬を作っていた!           手書きの漢方薬レシピ。

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北斎の絵手本からタッチパネルモニタで学べるコーナー

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北斎による見事な一筆画。             タッチパネルで北斎の筆づかいを追体験できる。

【約100 年ぶりに再発見された幻の絵巻】

  約100 年ぶりに再発見された幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」公開!両国橋から山谷堀あたりまでの隅田川両岸の景色が全長7メートルで繰り広げられます。北斎の肉筆画の中で最長!

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幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」への入り口。

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全長7メートルの「隅田川両岸景色図巻」

 北斎壮年期の傑作のひとつと言われるこの図巻は、隅田川両岸の景色が陰影法を交えた表現で描かれ、墨田川の水面に橋や船、岸辺の影が映る様子が丁寧に入れられています。また、新吉原での遊興の様子は、楚々とした上品な雰囲気の中にボリュームのある人物像も感じさせるというように、風景・人物ともに見応えがあります。

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川に写る影の表現が繊細。橋の上にたくさんの人々がひしめく様子がユーモラス。
(「隅田川両岸景色図巻」部分)

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連なる屋根がうっすらと霧の中に浮かぶ様子が趣深い。(「隅田川両岸景色図巻」部分)

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新吉原の人物表現が上品ながら動きのある存在感を見せている。(「隅田川両岸景色図巻」部分)

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Collection Hayashi Objets d
’A r t et Peintures du la Chine et du Japon”re ́unis par T .Hayashi
『林忠正旧蔵日本・中国絵画・工芸品コレクション売立目録』
 『林忠正旧蔵日本・中国絵画・工芸品コレクション売立目録』は、海外に浮世絵を売り出した浮世絵商、林忠正がフランスから撤退するために1902年から翌年にかけて競売を行った際の売立目録。林が所有していた「隅田川両岸景色図巻」が作品写真とともに掲載されている。この後約1世紀の間「隅田川両岸景色図巻」は行方がわからなくなっていた!

 【名品ピックアップ】

 展覧会の3章は、名品ハイライトです。墨田区が独自に収集し続けてきた質の高いコレクションをはじめ、世界的な北斎研究者でコレクターのピーター・モース氏から一括取得したコレクション、そして日本を代表する北斎の研究者であった楢﨑宗重(ならざき・むねしげ)氏から寄贈を受けたコレクションがあります。

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北斎作「賀奈川沖本杢之図」(左)。かの有名な「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。
右)のアイデアの元になったと考えられる。

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「 諸国滝廻り 木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」(左)も目を惹かれる。滝口は真上から見た状態で円形に、落ちる滝の流れは正面から見ているという、キュビスムのような多視点を既に編み出している。「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」(左・拡大部分)を見ると、大胆に張り出した高い崖の上で煮炊きをしている男性たちがいてシュール。映画のような場面。

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諸国滝廻り 和州吉野義経馬洗瀧」。

 滝の中で馬を洗う、現実離れしながらも迫真のこの1枚も魅力的。源義経が兄頼朝に追われて落ちのびる道すがら、滝で馬を洗ったという伝説を元にしているという。 

それでは、みなさん、good luck! アートと共に楽しいひとときを!  

【開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」開催概要】
2016年11月22日(火)~2017年1月15日(日)
前期:2016年11月22日(火)~12月18日(日)
後期:2016年12月20日(火)~2017年1月15日(日)
会場:東京都 両国 すみだ北斎美術館
時間:9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌平日)、12月26日~1月1日
料金:一般1,200円 高校生・大学生・65歳以上900円 
   
中学生400円 障がい者400円 ※小学生以下無料
※会期中展示替えあり

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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