Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのアートデート

Vol.3 ポーラ美術館(箱根)                     『Modern Beauty -フランスの絵画と化粧道具、ファッションにみる美の近代』 展開催期間: 2016年9月4日(日)まで

 東京から車で約2時間。自然豊かな箱根の山道を登っていくと、ガラス張りの入り口から導かれる建物が現れます。それが、ポーラ美術館。西洋絵画、日本の洋画、日本画、古今東西の化粧道具など総数1万点にのぼる名品を擁し、年に2回企画展を開催します。企画展、常設展、カフェ、レストラン、遊歩道、ミュージアムショップと、楽しみがたくさんつまったポーラ美術館では、半日、1日があっという間に過ぎてしまいます。自然とアートにすっぽり包まれ、都会のデートとはまた違った時間が楽しめそうですね。

  今回は、名画とファッションをメインにフランス近代の空気を感じながらお洒落に散歩できる『Modern Beauty』展を鑑賞するアートデートです。

13530619_1175142245861762_2038705123_n 13499873_1175141075861879_1714422513_o

『Modern Beauty』展開催中のポーラ美術館エントランス    森の地下深くのアートの世界に誘うエスカレーター

展覧会概要❖

 『Modern Beauty -フランスの絵画と化粧道具、ファッションにみる美の近代』展は、ヨーロッパ19世紀後半から20世紀前半までの女性像を、名画と当時の本物のドレスやジュエリー、化粧道具とともに間近に体感できる展覧会です。 ポーラ美術館、および国内美術館収蔵のマネ、モネ、ルノワール等巨匠達の絵画に描かれている魅力的な女性達と、彼女達が身に着けた本物のファッションを隣り合わせで観ることができる貴重な機会!通常の展覧会では、当時のファッションの「絵画」または「ファッションの現物」どちらかの展示である場合が多く、片方は想像で補うということになるのですが、今回の『Modern Beauty』展では、絵の中にあるファッションがそのまま目の前に飛び出してきているという夢のような展示。絵に描かれているファッションを360度ぐるっと回って観ることができ、「これは、この角度から描いた絵だったの!」ということもわかります。

 同時に当時の近代美の価値観に大きな影響を与えた詩人ボードレールの言葉、ファッションを流行させた雑誌やファッションプレートといった媒体の資料も豊富。時代の変遷とともに女性の生活やファッションも劇的に変化していく様子がわかります。

 ☆アートでデートスタート☆

 都内や近郊のデートスポットは一緒に出かけたことがありますが、初めての遠出デートということでドキドキ。彼女もリゾートスタイルでおめかししています。開口一番「ステキだね~!一緒に箱根に行けるなんて嬉しいな~」と伝えましょう。

 道路から、ブリッジを渡るとガラス張りのポーラ美術館のエントランスです。透明で自然に溶け合っているような美術館に入ると、現実からするっと離れてアートの殿堂に吸い込まれていきます。しかも今回はフランスの薫り高い『Modern Beauty』展!粋なフランス人男性を気取ってロマンチックなセリフを言ってみるチャンスですね。

13509672_1175810535794933_1244678376_o

フォトスポットもある『Modern Beauty』展の入り口

 『Modern Beauty』展の第一章は、詩人で美術評論家としても影響力のあったシャルル・ボードレールがファッションをテーマに『「つかのまの美」から永遠を見出し表現することが近代の美だ』と提唱するところから始まります。ボードレールのような当時のオピニオンリーダー達の言葉に導かれ、画家たちも流行に合わせて次々と変わりゆく女性達のファッションを美として積極的に描いたことがわかります。ボードレールとか、知的でかっこいい響きなのですが、紳士のみなさん、あまりボードレールの『惡の華』などについて語りすぎないように!女性は、それほどウンチクに興味ないかもしれません(笑)。最近は、『惡の華』という漫画もあって、若者はむしろそちらしか知らないこともあるので、会話が思わぬ方向に行ってしまうかもしれないので要注意です。

 ❖展示作品ピックアップ❖

 『Modern Beauty』展のみどころは、なんといっても当時のフランスで活躍していた画家達が描いた原画の中に見られるファッションと並べて、当時の本物のドレスやアイテムを鑑賞できるところです。絵の中から飛び出してきたと思えるほどそっくりな仕様に感動します。当時のおしゃれな人々が好んでまとったからこそ画家達が描いた、まさにモード(流行)だったのだなと実感します。

  まず目を引くのは、クロード・モネの作品の中でも有名な≪散歩≫の絵と、そこから抜け出してきたような「アフタヌーンドレス」。黒いストライプの上に花柄を配した夏用のバッスルスタイルドレス(スカートが後ろウエストから大きく張り出したドレス)。

13523682_1175144692528184_1193580513_o   13550912_1175145225861464_263314181_n

クロード・モネ≪散歩≫1875年                    アフタヌーンドレス

 『Modern Beauty』展を担当したポーラ美術館学芸課長の岩崎余帆子さんが、「パラソルは小さめで、日よけの機能よりもファッションの一部として持たれていたことがわかります。それに比べてモネの絵の日傘は大きめ。画家が、必ずしも見たものをそのまま描いたのではないことも発見できます。」と解説してくださいました。

1

『Modern Beauty』展を担当したポーラ美術館学芸課長の岩崎余帆子さん

 次に、パスキンの作品≪ギカ公女≫とイヴニングドレスのコンビネーションもステキです。

13548774_1175141995861787_1046983677_o

ジュール・パスキン≪ギカ公女≫1921年と≪イヴニング・ドレス≫1923年頃

 ギカ公女は、ルーマニアの政治家デメートル・ジャン・ギガの夫人。ナポレオンハット型の帽子とシルヴァーフォックスの襟巻は1920年代の流行。襟巻は、1匹のシルヴァーフォックスの頭から尾まで使用した贅沢なもの。

 ☆ここでアートでデートおすすめの会話例I☆

あなた:「上品でエレガントなファッションだね。○○さん(一緒にいる女性)に似合いそう!

     肌が白いから黒いドレスに映えるよ!」

彼女: 「そお?」

あなた:「もちろん!いい女だから、毛皮も似合うね。

     秋になったらこのスタイルでデートしてくれる?」

彼女: 「OK!」

【ポイント1】

「こんなドレス着たらステキだな~」と夢見てる彼女に、「君なら似合う」と伝えたら喜びます。

「肌が白い」とか、「いい女」というほめ言葉は、後からも思い出すほど嬉しい言葉♪ 

「秋になったら」と、季節が変わっても一緒にいたいという気持ちも表現できていいですね!

 

 また、1900年代初頭の貴婦人たちの優雅なひと時を垣間見られるのが、会場に再現された化粧部屋です。

       9     18

        当時の貴婦人の部屋の再現。美しく手の込んだ化粧道具もたくさん。

 上流階級の女性達は、時間によってファッションが決まっていて、一日に何度も着替えて身づくろいを楽しんでいました。こちらに再現されているのは、夕方のティータイムのためにティーガウンに着替えた貴婦人。有名なメゾン、ウォルトのデザインによるもので、サテン生地にプリーツのあるシフォンを重ね、レースを挟みこんだ花柄プリントのガウンを羽織った室内着です。

 このような空間に入れた男性は、ご婦人と親しい特別な男性のみ。当時、パトロン、夫、愛人などが身づくろいする女性を化粧部屋で眺めるというモチーフの絵画が数多く描かれたほど、色香漂う魅力的な空間でした。

☆アートでデートおすすめの会話例II☆

あなた:ゆったりとお化粧する時間と空間って優雅だね。

     親しい女性や特別な男性だけが入れた秘密の空間というのにも惹かれるな。

彼女:そうね。

あなた:僕もそんな特別な男性になれるかな。○○さん(一緒にいる女性)の!

彼女:かもね!

【ポイント2】

結構ダイレクトに彼女の「特別な男性になりたい」と言っていますね。

箱根まで来たのですから、ここは思い切って!

これでぐっと距離が近づいたら、かなり脈ありですね。

遅めのゆったりランチ❖

  ポーラ美術館に来たら、ランチが是非おすすめです!特に、企画展に合わせたオリジナルメニューは、学芸員とレストランシェフが綿密な打ち合わせを重ねて作り上げています。

13555766_1175141462528507_2037298695_o

パノラマのような景色も美しいレストラン

 ビジュアル、素材、コンセプト、丸ごと楽しめるアートなメニューには様々な工夫が施されています。

 今回の『Modern Beauty』展にちなんで供されるメニューは『美の食卓』。女性を輝かせる化粧品をはじめとして、美と健康にこだわった社員食堂の「美肌メニュー」でも名高いポーラならではの内容。きっと彼女もときめくのではないでしょうか。

 例えば、《オードブル》は、オードブル・バリエ。サーモンマリネ アボカド添え、ライスサラダ、ホタテのマリネ トマトコンソメゼリー添え、キャロット・ラペ。鮮やかな色が食欲をそそり、サーモン、アボカドなどお肌に嬉しい素材が入っています。

 《メインディッシュ》は、仔羊の軽いスモーク 十五穀米のリゾット添え。仔羊の背肉のロティに十五穀米のリゾットとトマトのロティが添えられています。脂身の少ない良質な肉、トマトなどはまさに美肌メニュー。

 デザート、パン又はライス、コーヒー・紅茶又はハーブティーなどが付いて2,810円。

13522517_1175145295861457_417811685_n

企画展オリジナルメニューの『美の食卓』

☆アートでデートおすすめの会話例III☆

あなた:せっかくだから、企画展メニューの『美の食卓』にしない?

彼女:わー、おいしそう!

あなた:ごちそうするよ。

彼女:いいの?嬉しい!

あなた:もちろん!美女と箱根に来た記念に。

彼女:ありがとう。

【ポイント2】

 あなたから豪華なメニューを提案した上に、ちゃんと「美女」と褒めるというスマートな会話ですね。そして念のために、割勘はかなりNG!(いかなる時も、ちゃんと自分で支払いたいというタイプの女性は別として)。今までの流れで割勘になったりしたら、全てぶち壊しです。是非「ごちそうするよ。」と提案してみましょう!

ミュージアムグッズをプレゼントしてみては?❖

 ポーラ美術館のミュージアムグッズは、オリジナルで楽しく、実用性が高いものもたくさんあります。今回、彼女へのプレゼントとしておススメなのは、『寺村サチコの Modern Beauty オリジナルアクセサリー』。女性の持つ美しさを、シルクオーガンジーで表現しています。

13565351_1175140852528568_384994539_n     13548756_1175140849195235_1078767976_o

リング 4,320円~6,696円(税込)                                                イヤリング 12,960円(税込)

それでは、みなさん、Good luck! アートと共に楽しいひとときを!

 【展覧会基本情報】

会場:ポーラ美術館

会期:2016年3月19日(土)~9月4日(日)

入館料:一般1,800円

お問い合わせ:TEL: 0460-84-2111

URLwww.polamuseum.or.jp/sp/mb_2016/

 【交通情報】

・東京から車なら、東名御殿場ICが便利です。

 乙女峠経由でポーラ美術館までは約20分です。

・御殿場ICを抜けてから乙女トンネルの手前約5kmに、あじさいロードとよばれる、あじさいの

 見所があります。標高が高いことから、7月下旬ころまであじさいが楽しめます。

 

菊池麻衣子 
【現代版アートサロン・パトロンプロジェクト代表、アートライター、美術コレクター】
東京大学卒:社会学専攻。 イギリスウォーリック大学大学院にてアートマネジメントを学ぶ。ギャラリー勤務、大手化粧品会社広報室を経て2014年にパトロンプロジェクトを設立。

【月刊誌連載】2019年から《月刊美術》「菊池麻衣子のワンデイアートトリップ」連載、《国際商業》アートビジネスコーナー連載
 資格:PRSJ認定PRプランナー
同時代のアーティスト達と私達が展覧会やお食事会、飲み会などを通して親しく交流する現代版アートサロンを主催しています。 美術館やギャラリーなどで「お洒落にデート!」も提唱しています。

パトロンプロジェクトHP:  http://patronproject.jimdo.com/
パトロンプロジェクトFacebook: https://www.facebook.com/patronproject/
菊池麻衣子Twitter: @cocomademoII

インスタグラム:https://www.instagram.com/cocomademois/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

関連するたしなみ

おすすめのたしなみ