Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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紳士のためのお出かけエンタテインメント

オペラを映画館で楽しむMETライブビューイング「ワルキューレ」

ワーグナーはお好きですか。2011年にニューヨークのメトロポリタンオペラで上演されたワーグナーの『ワルキューレ』が4月9日(金)から始まります。5時間14分の作品。時間を十分にとってお楽しみください。

ロベール・ルパージュ演出の新制作は、斬新で壮大な舞台に圧倒されます。装置が45トンもの重さがあり舞台床の最大積載量を超えてしまったため、鋼鉄の梁をはめこむことになったほど。そのハイテクな舞台と神話をもとにした物語が絡み合います。

さて、『ワルキューレ』は、『ニーベルングの指輪』4部作第2番目の作品で、世界を支配できる力を持つ黄金の指輪をめぐって、神族と人間、地底のニーベルング族による愛と欲と裏切りが交錯する世界が繰り広げられます。神々の長であるヴォータンが、人間女性との間にもうけた双子の兄妹の愛と、ワルキューレ(戦う乙女)の一人ブリュンヒルデが神々の世界から追放されるまでが描かれています。

⒞Ken Howard/Metropolitan Opera

第1幕で、双子の兄妹は出会ったとたんに恋に落ちます。第2幕は、神々の長ヴォータンが正妻のフリッカに不貞を非難され、不義の息子ジークムントを殺すことを約束させられます。ヴォータンは、最愛の娘であるワルキューレのブリュンヒルデにジークムントを殺すよう言いつけます。しかし、人間の愛の深さを知り、父の命令に背いて兄妹を助けることを決めるのですがジークムントは殺されてしまいます。

⒞Ken Howard/Metropolitan Opera

第3幕でブリュンヒルデは8人いるワルキューレ姉妹に助けを求めますが、拒絶されてしまいます。ジークムントの子をみごもったジークリンデを救出し生きるように諭します。ヴォータンは命令に背いたブリュンヒルデに永遠の別れを告げ、彼女の神性を剥奪し、長い眠りについた娘を炎に包みます。彼女を目覚めさせることができるのは、炎を越えられる恐れを知らない英雄のみ。その場面に、まだ登場していない次作からの主人公ジークフリート(ジークムントとジークリンデの子供)のテーマ音楽が流れます。

デボラ・ヴォイト演じるブリュンヒルデ、ブリン・ターフェル演じる父親のヴォータン、ステファニー・ブライズはヴォータンの妻、フリッカ役。エヴァ=マリア・ヴェストブルックとヨナス・カウフマンは愛し合う双子の兄妹、ジークリンデとジークムントを演じます。ハンス=ピーター・ケニヒはジークリンデの夫フンディング役。声量のあるワーグナー歌手たちが勢ぞろいし劇場を圧倒します。

この長丁場を歌いきるには、かなりの体力と、技量が要求されますが、この作品には、美声を響かせられる身体と力量を持った歌手たちが次々に登場し、安定感のある迫力あふれる声を届けてくれます。

エヴァ=マリア・ヴェストブルックはMETデビュー、ヨナス・カウフマンは初のジークムント役。指揮は先ごろ亡くなった、ジェイムズ・レヴァイン。このときMETデビュー40年でした。歌手たちは「ワーグナーの第一人者だ」と彼への尊敬の念を語ってやみません。

幕間の案内役は、プラシド・ドミンゴジョイス・ディドナート。ドミンゴは、かつて今回のブリュンヒルデ役のデボラ・ヴォイトと、ジークリンデとジークムンドの兄妹を演じたことがあるそうです。ドミンゴの舞台人生は、素晴らしく長いですね。

今回のこのロベール・ルパージュ版は、METではもう上演されないことになっているので、METラブビューイングだけでみることができる貴重な機会です。

上演は、4月9日~15日まで 詳細はこちら

また、このあと東劇では、4部作を一挙に上映することになりました。4月23日(金)~5月6日(木)『ラインの黄金』『ジークフリート』『ワルキューレ』(2011年版・2019年版)『神々の黄金』。詳細はこちら

また、メイキング・ドキュメンタリー『ワーグナーの夢 ~メトロポリタン・オペラの挑戦~<ニーベルングノ指環>の舞台裏』が4月8日(木)からMIRAIL(ミレール)で配信しています。ワーグナー好きには、たまらないGWとなりそうですね。

 

*2021年4月8日現在の情報です *記事と写真の無断転載を禁じます。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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