Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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ソウル&ゴスペルの女王 アレサ・フランクリンをジェニファー・ハドソンが演じる映画『リスペクト』

アレサ・フランクリンは、18回グラミー賞を受賞し、女性アーティストとして初めて「ロックンロールの殿堂入り」を果たし、ケネディ・センター名誉賞、2005年にはアメリカ人にとって最高の栄誉である大統領自由勲章を授与し、2018年8月に亡くなった後にはピューリッツァー賞特別賞を受賞している。この作品で、ソウルやゴスペルに詳しくなくても、どこかで聴いたことがある曲に出会うことができるだろう。

アレサを演じるのは、生前にご本人から指名されていたジェニファー・ハドソン。ジェニファー・ハドソンは、人気コンテスト番組「アメリカン・アイドル」で勝ち上がり7位で脱落した経験がある。しかし不屈の精神で、映画『ドリームガールズ』でアカデミー賞助演女優賞、歌手としてグラミー賞を受賞し、今の地位を勝ち取った実力派だ。

© 2020 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved

アレサは、著名な牧師を父に持つ裕福な家庭で育ち、父親は彼女の歌唱力をかっていた。わずか10歳で人の心を虜にする歌声を持っていたのだ。19歳でコロンビアレコードからデビューするもヒットが出ず、苦しむアレサ。自分らしく歌いたいのに歌うことができない。父親の束縛から逃れたいと思っていたそのときに自宅のパーティに出入りし好意を持っていたテッドと再会する。彼をマネジャーに、アトランティックレコードに移籍。そこで歌った『貴方だけを愛して』が大ヒット。続いて、オーティス・レディングの『リスペクト』をカバーし、これがスーパーヒットを飛ばす。しかしテッドは嫉妬深く、彼女に暴力をふるうような男だった。

© 2020 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved

いつしかアレサは、アルコールに依存するようになるが、何が彼女を追い詰めたのか。何から逃れようとしたのか。どん底まで落ち、そこから立ちあがり強く生きた。

 

彼女はいつも、女性に、人に敬意を払ってほしい自分の生きる道は自分で決める自由に生きたい。そして、黒人差別に対しても戦った。常に戦い続けるファイターだったのだ。

 

1971年サンフランシスコ「フィルモア・ウェスト」での伝説のライブの翌年、ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バブテスト教会で開催されたライブを収録したアルバムが300万枚以上の販売を記録し、今でも史上最高のゴスペルアルバムとして知られている。また、昨年、この模様をおさめたドキュメンタリー映画が日本でも公開された。

映画の最後に、アレサ本人歌声と写真が流れる。オバマ大統領の就任式で歌った彼女は、まさにアメリカのソウル、魂だったのではないか。オバマ夫妻は「彼女の歌声を通じて、我々の歴史のすべて(あらゆる点を含め)、我々のパワー、心の痛み、闇と光、救いの追求、そして我々がようやく手に入れたリスペクトを感じ取ることができます。彼女は人と人との繋がり、希望、人間性をより強く感じさせてくれました」と語っている。

歌は歌わされるものではない。内側から湧き出てくるものだ。それこそが「ソウル」そのものなのである。

映画『リスペクト』11月5日(金)TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー HP:https://gaga.ne.jp/respect/

*2021年11月5日現在の情報です*写真・記事の無断転載を禁じます

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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