Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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バレエ「白鳥の湖」 新国立劇場開場20周年記念公演

チャイコフスキーの「白鳥の湖」は、誰もがその旋律を唱えるほどよく知っているクラシックバレエ不朽の名作です。白鳥たちの群舞が美しく、ソリストたちの技術の粋が見られ、とても楽しめる作品です。

新国立劇場開場20周年記念公演の新国立劇場バレエ団の「白鳥の湖」は2006年初演、演出・改定振付は牧阿佐美さん(コンスタンチン・セルゲーエフ版による)によるもの。

撮影:瀬戸秀美

 

新国立劇場バレエ団は、日本最高峰のバレエ団として知られ、特に群舞(コール・ド・バレエ)の美しさは、海外からも絶賛されています。古典から、20世紀の名作、現代振付家の作品、世界の振付家に新作を委嘱して作ったオリジナルなど幅広いレパートリーを踊っています。2014年からは大原永子芸術監督の下、高い水準の上演が続き、ますます目が離せません。

 

私が伺った2018年5月3日(木)のキャストはオデット・オディールに米沢唯さん、ジークフリード王子に井澤駿さん。息もピッタリのペアです。

撮影:瀬戸秀美

米沢さんは、2010年に新国立劇場バレエ団に入団し、13年にプリンシパルに昇格しました。たおやかでエレガントなダンスを披露しています。井澤さんは14年に入団し17/18シーズンにプリンシパルに昇格しました。

 

バレエは、踊りだけで内容を伝えるわけですが、身体の動き全身から言葉が聞こえてきそう。

「白鳥の湖」のストーリーは、お伝えするまでもありませんが、

悪魔によって白鳥に姿を変えられたオデット姫。魔法を解くには恋をしたことのない男性から永遠の愛を誓われなければなりません。一方、成人したジークフリート王子は花嫁を選ぶことに。ジークフリート王子はオデット姫を愛しているので、誰にも心を動かしませんが、悪魔が連れてきた娘オディールはオデットにそっくり。オデット姫だと思い込み、愛を誓ってしまいます。悔恨の情に責めさいなまれたジークフリートは湖畔にやってきてオデットに許しを請います。オデットは彼を許し、2人の強い愛に悪魔は倒れ、白鳥たちにかけられた呪いがとけます。そして、オデット姫とジークフリートは幸せになりました。

 

米沢さんは、可憐で楚々とした白鳥のオデット姫と、悪魔の娘で妖艶な黒鳥のオディールを見事に演じわけます。オデットの時は清々しく清らかで、オディールの時は堂々として自信に満ち溢れています。指の先まで白鳥になりきって、不安に震えたり、喜びに満ち溢れたりします。

撮影:瀬戸秀美

幻想的な舞台で繰り広げられる、群舞(コール・ド・バレエ)は、見事としか言いようがありません。手の向きや角度、指先まで神経が張り巡らされ一糸乱れぬ動きはため息ものです。

この完璧なコール・ド・バレエ見たさに、わざわざ上の階の席をとる方までいるほどです。

 

さらに、花嫁選びの宴で披露される民族舞踊もそれぞれ個性的です。スペインの踊り、ナポリの踊り、ロシアの踊り、ハンガリーの踊り、ポーランドの踊り・・。

黒鳥のグラン・フェッテ(片足を軸にして開店を続ける最高難度のダンス)はもちろんのこと、道化の福田圭吾さんの跳躍力とグラン・フェッテの安定感は見事です。

 

舞台と衣裳が素晴らしい。色合いがまるで中世から抜け出してきた絵画のようで、しかも現代的で洗練されています。

装置・衣装はピーター・カザレット。南アフリカのニコ・オペラ・ハウスの主任デザイナーとしてオペラ、バレエ、演劇のデザインをするのみならず、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアでも活躍しています。新国立劇場ではこの作品のほか、『ラ・シルフィールド』『リラの園』も手掛けていますので、他の作品もぜひ見てみたいですね。

 

キャスト表を見ていた人が一言、「一体何人出てるんだろう」。そこで数えてみました。ソロで踊るダンサー6人、白鳥24人、ワルツ40人、そのほか42名・・数え間違えてるかもしれませんが、総勢100人以上のダンサーたちが関わっています。一人ずつの技術が高く、美しく、日本のバレエダンサーのレベルの高さがうかがえます。

 

色々な楽しみが詰まっている『白鳥の湖』。

会場は満席。バレエを習っているであろう小さいお嬢さん連れのご家族も多く、和やかで熱心な視線が舞台に注がれていました。途中休憩では、このときしか食べられない白鳥のシュークリームも売っていました。あぁ、食べてくればよかった・・。

 

今年は、『白鳥の湖』がたくさん上演されます。マリインスキー・バレエ、シュトゥットガルト・バレエ、東京バレエ団など東京で10数団体の『白鳥の湖』を観劇できます。また、どこかで白鳥のシュークリーム作ってくれないかしら。今度こそは食べるゾ!

 

新国立劇場バレエ団の『白鳥の湖』は、2018年4月30日から5月6日までの会期でした。

*2018年5月10日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

http://www.geocities.jp/officewe_homepage/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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