Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのエンターテイメント

レコードレーベルが社会を変えた 映画「メイキング・オブ・モータウン」

ドキュメンタリー映画「メイキング・オブ・モータウン」には、時代を彩ったスターがたくさん登場する。マーヴィン・ゲイ、ダイアナ・ロス&スプリームス、スティ―ビーワンダー、テンプテーショズ、ミラクルズ、ジャクソン5・・・。彼らの楽曲を聴くだけでワクワクする。音楽に詳しくない私でも、世界中で大ヒットを飛ばした曲ばかりなので楽しくて仕方がない。この曲も、あの曲も、モータウンが生み出したのか。何てすごいレーベルなんだ。

1959年にデトロイトで設立されたモータウンというレコードレーベルは、音楽で時代を拓き、動かし、変えていった。その歴史が描かれている。今回初めて創設者ベリー・ゴディが密着を許し、映画化が実現した。彼と一緒にレーベルを築いた親友、アーティストで作詞・作曲、プロデユーサーのスモーキー・ロビンソンとの会話が終始楽しそうで、どんなふうに仕事をしていたのか、それだけで雰囲気が伝わってくる。

(C)2019 Motown Film Limited. All Rights Reserved

ベリー・ゴディは天才で、とても賢く、野心的で、さらに厳格だったようだ。幼少期から商才があり社会の空気を読むことにたけていた。経営していたレコード店が倒産するとデトロイトにあったフォードの工場の組み立てラインで働いた。そこで、フォード方式を知り、会社経営に生かしていくことになる。

一軒家を借りて若者向けの音楽を次々につくっていく。アーティストを発掘し、才能を見つけ、養成し、ビッグアーティストに育てる。曲は、プロデユース、編曲、ダンスと各工程を回って磨き上げ、180曲以上のナンバーワンヒットを生み出す。世界最高のアーティストたちの誕生の瞬間や、成長過程、どうプロデユースしていくか。

ヒットさせるためには、世界に届けるためにはどうするか、組織に今何が足りないのか。才能を見抜く眼力があり、どうすればおもしろい音楽になるかがわかり、魅力的なイントロで心をつかむ。クオリティコントロールと呼ばれた品質管理会議では本音で話し合い、競争させ、よさそうなことは何でも試した。さらに、身のこなしには人間性が出ると、どこに出ても恥ずかしくないようにエチケットを学ばせ、人としても磨きをかけた。自分への誇りや尊厳を高く保てるように教えていった。そして、ブランド価値を高めたということが丁寧に描かれている。

彼が素晴らしいのは、人種にこだわらず、黒人だけではない白人でも女性でも、分け隔てなくだれでも受け入れたことだ。1960年代、公民権運動のさなか、人種偏見を超えて、男女区別なく登用した

モータウンは、社会を一つにする力があった。キング牧師とも親交を深め、のちにはネルソン・マンデラオバマ元大統領からも敬意を表されたほどだ。

音楽の歴史を知ることができると同時に、ヒット曲に身をゆだね様々な経営的な示唆も与えてくれる。ゴディはこう語る「もし時代についていかず革新を忘れたら停滞する」。

そう、止まっている場合ではありません。変化し続けなければ

ドキュメンタリー映画「メイキング・オブ・モータウン」2020年9月18日ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

 *2020年9月18日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

http://www.geocities.jp/officewe_homepage/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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