Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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ローマ歌劇場の引越公演『マノン・レスコー』でオポライスに会いたい!

最高のプッチーニ歌手と言われるクリスティーネ・オポライスを、普段、ニューヨークメトロポリタンオペラのライブビューイングで観ているだけに、生声を聴ける機会はとっても幸せ!映像で観ていた以上に本物のオポライスは美貌で、声も演技も迫力満点。ローマ歌劇場引越公演『マノン・レスコー』の初日、2018年9月16日にうかがってきました。

Silvia Lelli / TOR

 

プッチーニの『マノン・レスコー』物語は・・。

第1幕は、青年デ・グリュー(グレゴリー・クンデ)は修道院に行く予定の清楚な美少女マノン・レスコー(クリスティーネ・オポライス)に一目ぼれ。同じく一目ぼれした財務大臣ジェロンテ(マウリツィオ・ムラーロ)に馬車で連れ去られそうになるも、その前に、2人で逃げ出す。

第2幕。マノンは、デ・グリューとの貧乏生活に耐えられず、ジェロンテの愛人として豪奢な生活を送っている。ところが愛に満ちたデ・グリューとの生活が忘れられない。そこにやってきたデ・グリューは、自分を捨てたマノンに怒りをぶちまけるが、マノンは色香たっぷりにデ・グリューを誘惑する。魅力に負けるデ・グリューと愛を確かめ合っているところにジェロンテがやってくる。すぐに逃げ出そうとするが、マノンが宝石に未練を残している間に警官がやってきて捕まってしまう。

第3幕、第4幕は、アメリカへの流刑が決まり救出できないとわかるや、デ・グリューは船に乗せてくれと頼みこみ、マノンと共に流されることに。アメリカでも安住の地を得ることはできず広大な砂漠でマノンは息絶えるのだった。

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演出はイタリア最高の指揮者リッカルドー・ム-ティの娘であり女優としてのキャリアもあるキアラ・ムーティ。トラディショナルな演出で、時代背景の18世紀後半、マリー・アントワネットが生きていた頃の衣裳、美術で色使いは淡く、舞台はどの幕でも砂漠がどこかに使われています。2幕目の、囲われものをイメージするかのような「かごの鳥」のような舞台が美しい。

Silvia Lelli / TOR

 

最初は、純真無垢に見えたマノンが、次第に妖艶になり男を誘惑し、最後には死にたくないと絶望の淵に立つ。その様を、見事に演じるオポライス。男を破滅させる魔性の女の役は、彼女にピッタリです。

それにしても国外追放される場所がアメリカというのが面白い。作曲されたのが1893年だから、最果ての地といったイメージだったのでしょうか。

ベテラン指揮者のドナート・レンツェッティの手により醸し出されるローマ歌劇場管弦楽団の演奏は見事で、特に第2幕の激しく、かきたてるような音楽には心がはやりました。前半、2階席にいる私までマエストロの歌声が聞こえ、情熱たっぷりに指揮をします。

Silvia Lelli / TOR

ローマ歌劇場は、今回の『椿姫』にしても『マノン・レスコー』にしても、常に「現代」をとらえることで観客の心をつかんでいます。

ローマ歌劇場引越公演『マノン・レスコー』は、あと2回。2018年9月20日(木)15時~、9月22日(土)15時~ 東京文化会館

 

*2018年9月17日現在の情報です。*写真、記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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