Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

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新国立劇場オペラ 新制作『魔笛』は10月3日から

新国立劇場 オペラ新芸術監督に就任した大野和士氏の新シーズンが始まります。就任第一作はウィリアム・ケントリッジ演出版『魔笛』。大野監督は、「世界で最も美しく、思索に満ちた『魔笛』」と太鼓判を押しています。

 

ウィリアム・ケントリッジは著名な現代美術家で、日本でも京都賞を受賞、オペラでも活躍していて『魔笛』は、ケントリッジが初めて手掛けたオペラ作品です。ブリュッセルのモネ劇場から1998年に委託され2005年に初演されました。その後、ミラノ・スカラ座、エクサンプロヴァンス音楽祭などで上演されている人気のプロダクションです。

今回は、スカラ座公演を指揮したローラント・ベーア、ザラストロ役に若手サヴァ・ヴェミッチ、パパゲーノにはアンドレ・シュエン、タミーノにスティーヴ・ダヴィスリムが出演します。

 ケントリッジ作品の特徴は、木炭とパステルで描いた絵をミリ単位で移動させ、コマ撮りした映像をプロジェクションに映し出し、絵をアニメのように動かしていく舞台美術。黒で夜の女王、白で太陽の王ザラストロが印象付けられます。

 そんなケントリッジさんのスペシャルトークショーが開催されました。

1955年南アフリカで生まれ、大学は、政治学とアフリカ研究を専攻。その後パリで演劇の勉強をし、ヨハネスブルクで演出や俳優の仕事を始めます。そこからドローイングの世界に入り、現在、ドローイング、アニメーション、演劇、オペラの演出へと精力的に横断的に世界で活躍しています。

 

聞き手は、中央大学の森岡実穂准教授。

まず、なぜ、『魔笛』を演出することになったのかです。

最初、『タンホイザー』をやらないかと言われて2年考えたけど断った。すると『魔笛』はどうかと聞かれたので即決した。子供の頃から『魔笛』のイメージは、タミーノが笛を吹いて周りの動物たちが穏やかになっていく場面。オペラとの最初の出会いも、家にあったオルゴールの『魔笛』。帽子をかぶったパパゲーノがいて、2つ目のアリアが曲だった。

2年かけて『魔笛』と向き合い、手を動かし絵を描きこんでいって次第に魔笛がどういうものかが明らかになっていった。登場人物がとらえどころがなく、理論が破たんしているところが、多角的にとらえることができるところだ。演出しがいがある。闇と光は割り切れず、あいまいで切り分けられないところもおもしろい。

エクサンプロヴァンスで大野指揮者と出会い、やりたいオペラの話をしていた時に、『魔笛』があがった。夢のような話だったが、その夢がかなった。今回、映像の技術がつくった当初とは格段の進歩を遂げているので、最先端の技術で撮りなおして臨んでいる。

最後にザラストロの2幕のアリアの演出に注目してほしいと語っていました。

森岡さんは「複雑で読み取りがいのあるプロダクションです」と結びました。

大野芸術監督は、「日本で世界の最先端を見せたい」と意欲的。

ドローイングとアニメーションを用いた美しく神秘的な舞台は、実際に見た時にどう感じるのか。その深い意味を、私でも理解することができるのか。とっても楽しみです。

それにしてもケントリッジさん、現代美術から、アニメーション、演劇、オペラまで手掛けるってどれだけ才能にあふれてるんでしょう。思慮に富んでいて、哲学者のようで、ユーモアもあり素敵な紳士でした。現代美術の作品も見てみたいな。

 

公演日程の詳細はコチラ

 

新国立劇場:渋谷区本町1-1-1

2018年10月3日(水)18時半、6日(土)14時、8日(月・祝)14時、10日(水)14時、13日(土)14時、14日(日)14時

 

 

*2018年10月1日現在の情報です*写真・記事の無断転載を禁じます。

 

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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