Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのお出かけエンタテインメント

英国ロイヤル・オペラ・ハウス「アイーダ」 1月6日(金)からスタート

世界最高の名門歌劇場である「英国ロイヤル・オペラ・ハウス」。そのバレエとオペラの舞台を、映画館で楽しめるのが、シネマシーズンです。1月6日から1週間限定で上演される「アイーダ」では、英国ロイヤル・オペラのレベルの高さを感じることができます。

壮大なオペラ「アイーダ」は、古代エジプトを舞台に、エチオピア人の奴隷アイーダと、エジプト軍の将軍ラダメス、そしてエジプトの姫アムネリスとの三角関係を主軸に展開する、祖国への愛と葛藤の物語です。

19世紀にカイロで新設された劇場の「こけら落とし」に、総督がヴェルディに作曲を依頼して制作されました。大規模な合唱や、バレエシーン、そしてエジプトのエキゾチックな舞台を背景にした作品は、いまや不朽の名作として知られています。

今回は現代に時代をうつしての上演です。

2022年、ロバート・カーセン演出の「アイーダ」はロシア・中国・アメリカといった超大国をイメージした架空の国家が舞台です。国家元首の宮殿には、軍服姿の兵士たちが行きかい、元首と娘は、ラグジュアリーブランドの高価な服に身を包んでいます。娘の持つバッグはエルメスのパーキン。軍隊の敬礼に満足そうに微笑む大統領。ロバート・カーセンは「作品を自由にし、作品の本領を発揮するために現代にしました」と語っています。

©Gavin Smart

誰もが知る「凱旋の場」では、戦死した兵士たちの棺が次々と運び出され、戦場での惨状がうかがい知れます。さらにそこでは、軍のデモンストレーションが披露されます。

今、私たちの身の回りで起きている出来事が想起され、とても平常心ではいられません。昔の物語としてではなく、私たち自身の今に突き付けます。

指揮は、2002年から英国ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督を務めるアントニオ・パッパーノ。繊細でかつ力強く、ドラマティックな音楽で魅了します。

ラダメス役はフランチェスコ・メーリ。アムネリス役にアグニエシュカ・レリス。アイーダ役はロシア人ソプラノ、エレナ・ステイフィナ。圧倒的な歌唱力と、起伏に富んだ表現力で観客を引き込みます。

©Gavin Smart

ラダメスとアイーダが生き埋めにされる墓場は、核兵器庫のようです。そこで、あまりにも美しい旋律がかなでられるのですが、2人の愛の成就よりも、核兵器庫が開くことがないようにと祈るばかりです。

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス アイーダ」1月6日(金)よりTOHOシネマズ 日本橋 ほか全国公開 HP:http://tohotowa.co.jp/roh/

*2022年1月5日現在の情報です*記事・写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

https://cross-over.sakura.ne.jp/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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