Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
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見ごたえのある展覧会 「カルティエ、時の結晶」

カルティエコレクションが所蔵している昔の作品のみならず、70年代以降の新しい作品に焦点が当てられているこの展覧会、全部で300数十点が展示されている。そのうちの半数が、個人蔵で、個人が注文して何カ月にもわたって制作されたもの。ほとんどお目にかかれない貴重な宝物を拝見できる展覧会だ。

展覧会に展示されているものすべてはアートとして見て極めて美しく、私にとっては手の届かない美術品そのものなのだが、今、身につけている人がいるのだという驚くべき真実が迫ってくる。

さらに、展示方法が哲学的である。メゾンが築いてきた創作の歴史を、革新性、現代性、独自性を背景にそのデザイン世界の深淵が表現されている。「数百万年を経て結晶化した鉱物を素材に、人類のたぐいまれな技術、想像力でつくりあげた唯一無二の宝飾芸術」(国立新美術館主任研究員・本橋弥生氏)として捉えなおし、今までに世界中で開催された過去34回のカルティエの展覧会とは、違ったものが見られる。日本としては10年ぶりの大規模展。2019年12月16日まで開催中だ。

今回のテーマは時間、「時の結晶」だ。会場全体がアートとして、新素材研究所の現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏が手掛け、木や石といった、そこに時間が封じ込められた素材絵空間を創り出している。

まずは、序章「時の間 ミステリークロック、プリズムクロック」カルティエの時を象徴するミステリークロックとプリズムクロック12個の展示。川島織物セルコンと共同開発したファブリックが天井からつるされた円柱がガラスケースを包み込み、そこに時計が納められている。ミステリークロックとプリズムクロックというのは、光と目の錯覚を巧みに利用した作品で、2本の針がつながっていないように見える。様々な技術の粋が集められ、時計師、金銀細工師、エナメル職人、研磨師などといった専門家が数カ月かけて制作する。個人蔵のほかにモナコ大公宮殿コレクションが2点ある。

1つ目の章は「色と素材のトランスフォーメーション」檜の展示ケースの背面には春日杉の古材が置かれる。ジュエリーをまとうトルソーは、仏の姿を彫る仏師が手作りしたもの。台座には、光学ガラスや伊達冠石が用いられている。色彩を組み合わせ、素材を際立たせる。

2つ目は「フォルムとデザイン」大谷石を井桁に積み上げて展示台がつくられている。展示ケースは錆びた鉄が使われているところも独特。

3つ目は「ユニヴァーサルな好奇心」惑星の軌道を描いた楕円形の展示ケース

カルティエの創業は1847年。パリでルイ=フランソワ・カルティエが創業し、ルイ、ピエール、ジャックの3人の孫が引き継ぎ、一貫したスタイルを持ち続けている。そこには卓越した技術と、奇跡のような高級素材、そしてデザイン力が融合して生まれた類まれな作品の数々がある。誰もまねができない繊細な技は、フランス人間国宝に認定されたフィリップ・二コラの手によるもの。現在4名の職人が師事している。

人に愛され、憧れられ、まとわれ、引き継がれ、時代を反映する時の結晶としてのジュエリーを、自分の時間を使ってじっくりと反芻し味わうことができた。杉本博司氏と榊田倫之氏の2人が深く読み解き表現する空間で見るカルティエの美は、また格別である。

 

国立新美術館 企画展示室2F ~2019年12月16日(月)まで 毎週火曜日休館 ※毎週金・土曜日は20:00まで
詳細はコチラhttps://www.nact.jp/exhibition_special/2019/cartier2019/

*2019年11月5日現在の情報です*写真は許可を得て撮影しています。記事と写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

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ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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