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21年ぶりの来日「エイフマン・バレエ」に、かき乱される

(c)Souheil Michaeil Khoury「ロダン」

2019年7月、ロシアの天才振付家ボリス・エイフマン率いる「エイフマン・バレエ」が、21年振りにやってきます。見たことがある人も、ない人も、舞台の一場面を切り取ったポスターを一目見れば、惹きつけられ、かき乱されるでしょう。

演目は、「ロダン~魂を捧げた幻想」と「アンナ・カレーニナ」。「アンナ・カレーニナ」は、エイフマン・バレエの代表作であり、「ロダン~魂を捧げた幻想」は、バレエという枠を超えたアート作品のようです。 

 

公演に先立って、5月9日(木)、代官山蔦屋書店でバレエ好きな漫画家桜沢エリカさんのトークショーが開かれました。

『バレエ・リュス ニジンスキーとディアギレフ』や『バレエで世界に挑んだ男』といった作品を描いている桜沢さんが最初にはまったのは、2015年に引退公演の締めくくりを日本で、しかも大晦日のカウントダウン『ボレロ』で飾ったシルヴィ・ギエム。

そして、アメリカン・バレエ・シアターにいたマルセロ・ゴメス、シュツットガルト・バレエ団のフリーデマン・フォーゲル、私も大好きなイケメン、パリ・オペラ座のマチュー・ガニオ。

鍛え抜かれた男性の身体を見に行くのだそうで、ジョン・ノイマイヤーやアクラム・カーンといったモダンな作品も現地にまで観に行くことがあるのだとか。

 

この日、本邦初公開のエイフマン・バレエの映像も見ることができました。招聘元でエイフマン・バレエをぜひ呼びたいと心を砕いたジャパン・アーツの方から、ダンサーたちの入団条件が、男性182センチ以上、女性は172センチ以上だと聞き、ダンサーたちの手足の長さに納得がいきました。その長さから生まれる動きが、実にダイナミックです。

 

「ロダン~魂を捧げた幻想」は、彫刻家ロダンと、弟子で愛人のカミーユ・クローデル、内縁の妻ローズの三角関係と、芸術家同士の葛藤が描かれています。クローデルとの出会いのパ・ドゥ・ドゥはドビュッシーの「月の光」が選曲され、サン=サーンスの音楽で彫刻「カレーの市民」が人の身体を使って舞台上でできあがっていきます。ダンサーたちの身体がまるで本物の彫刻のように見えてきて、思わず目をこすってしまいました。

(C) Yulia Kudryashova

この公演が開催される上野の東京文化会館の前にある国立西洋美術館の庭に、ロダンの「考える人」「カレーの市民」「地獄の門」などの作品が並んでいますので、さらに臨場感を持って観ることができるでしょう。

 

トルストイ原作の「アンナ・カレーニナ」は、チャイコフスキーの名曲で彩られます。何不自由なく暮らす政治家の妻が、若い軍人と恋に落ち身を滅ぼしていく物語。身体の限りを尽くして踊るさまは、圧巻です。どうしてこんなことができるのかと思うほどのリフトにスピード。ダンサーたちは極限まで体を鍛えぬいています。

(C)Souheil Michael Khoury

 

エイフマン・バレエは「心理バレエ」と呼ばれていますが、ダンサーたちが一部のスキのない美しい身体で、想像を絶する動きをします。さらにその身体の動きに心の内面があふれ、圧倒されて、見るのが辛くなってくるほどです。

(C) Souheil Michael Khoury

 

バレエ団の顔で、ロダン役のオレグ・ガブィシェフさんはエイフマンから絶大な信頼を得ている要のダンサー。「エイフマン氏の作品の中でも、『ロダン』は全体に感情が満ち溢れている作品です。湧水のように感情が吹きだしています。入団から15年を経て精神的に複雑なことや魂の苦悩などを舞台で伝えなければならない作品を踊り続けていますが、技術はそれを見せるのが目的ではなく、技術は感情を表現するための手段です。だから公演は毎回新しい印象を与えます」と語っています。

ロダンの愛人、カミーユ・クローデル役のリュボーフィ・アンドレーエワさんは、エイフマンのすべての作品の女性役の振り付けを彼女の身体で試しながら作り上げられている人。この2人が来日してくれるのかしら。

6月2日には、ロシア文学に詳しい東京外語大の沼野恭子教授と、静岡県立美術館の上席学芸員南美幸さんの講演会も予定されています。ロシアでは公演チケットが入手困難なことでも知られているエイフマンの世界が、この夏日本にやってきます。

私、この刺激に耐えられるかしら(笑)

 

 
 <東京公演日程> 会場: 東京文化会館
 「ロダン~魂を捧げた幻想」
 2019年7月18日(木)19:00開演、7月19日(金)19:00開演
 「アンナ・カレーニナ」 
 2019年7月20日(土)17:00開演、7月21日(日)14:00開演

 <東京以外の公演>
 2019年 7月13日(土) びわ湖ホール「アンナ・カレーニナ」
 2019年 7月15日(月・祝)グランシップ中ホール・大地 (静岡)「ロダン」

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*2019年5月11日現在の情報です。*写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

http://www.geocities.jp/officewe_homepage/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
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だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

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