Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのおでかけエンターテイメント

METライブビューイング、今シーズン一押しの『連隊の娘』

誰もが楽しそうにはじけて、自由に、のびやかに歌い演技しているのを見ていると、こちらまでその楽しさが伝わってきます。オペラを映画館で楽しむMETライブビューイング、ドニゼッティ『連隊の娘』が、秀逸です。

(c)Marty Sohl/The Metropolitan Opera

 オペラには珍しいコメディ。フランスの連隊に拾われて育てられた娘マリーと、地元の青年トニオの恋物語。チロルの青年トニオは、純粋で一途です。トニオは、奇跡の高音テノール、ハヴィエル・カマレナが高音ハイCの連続を仕留めます。『あぁ友よ、なんと嬉しい日!』は、しかもアンコールに応えて2度も聴くことができます。もちろん、METの歌劇場の観客は全員総立ち。喜びを会場中で味わいます。

(c)Marty Sohl/The Metropolitan Opera

娘マリー役のプレティ・イェンデはおちゃめで、はじけた女の子。難しい技巧が数々出てきますが、なんなくこなし、明るく溌剌としていて何ともチャーミングです。南アフリカのズールー族の出身で、即興部分でズールー語を挟み込んでいました。その歌唱力は抜きんでているうえに、カマレナとの共演で互いの相乗効果でどこまでも上に向かって伸びていきます。今までも何度かイェンデの登場する作品は観てきたけれど、これが一番のはまり役かもしれません。

(c)Marty Sohl/The Metropolitan Opera

さらに、侯爵夫人のステファニー・ブライズ、連隊長役のマウリッツィオ・ムラーロ。彼らの存在感も素晴らしい。

ここに、ゴールデングローブ賞を2度受賞し、アカデミー賞にもノミネートされた映画女優キャスリーン・タナーも大女優ぶりを発揮して華を添えます。「オペラの演技はすべて大袈裟」と作品中のインタビューで言っていましたが、郷に入っては郷に従え。見事にハマって観客を沸かせました。

(c)Marty Sohl/The Metropolitan Opera

指揮はエンリケ・マッツォーラ。ニコニコ笑顔の指揮で、彼自身もノリノリなのがわかります。メガネのフレームと、ポケットチーフの色合わせがお洒落です。演出は、誰もが口をそろえて「子供がそのまま大人になったよう」というロラン・ペリー。世界で最も売れている演出家の一人です。

実は予告編を見て、兵隊の服装や、カマレナの容姿(ごめんなさい!)で、地味な作品かと思っていましたが、なんのことはありません、私の今シーズン一押しの作品となりました。先入観はダメですね!

 

2019年4月12日(金)~18日(木)

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*2019年4月18日現在の情報です。*記事、写真の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

http://www.geocities.jp/officewe_homepage/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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