Taste of the gentleman

紳士のたしなみ

紳士のたしなみでは、紳士道を追求するにあたり、
是非学びたい気になるテーマについて学んでいきます。

紳士のためのおでかけエンターテイメント

今週木曜日まで。坂東玉三郎『鷺娘』シネマ歌舞伎

おまちかね、世界で大絶賛された伝説の歌舞伎の舞台『鷺娘』。ニューヨーク、ロンドン、ベルリン、ウィーンなどで、喝采を浴びてきました。

(c)福田尚武

1978年の初演後、84年にはMET(ニューヨーク・メトロポリタンオペラ劇場)の100周年記念ガラコンサートで上演されました。観客は、どんなに魅了されたことでしょう。

 

一途な恋を踊るのは坂東玉三郎。「鷺娘」は、静かに華やかに可憐に、女形の魅力が凝縮され、圧倒的に美しい演目です。玉三郎ならではの、息をのむような舞踊で、つい前のめりになってしまうほど。

踊りの技術のみならず、数十キロにも及ぶ衣装や髷をつけて踊るのは体力的にもそうそうできるものではなく、2009年の上演を最後に踊られていません。今回、坂東玉三郎自身の監修のもと最新技術を駆使して完成度を高めたライブビューングとなりました。

雪の舞うブルーの背景、柳の下にたたずむのは白無垢姿の娘。真っ白な綿帽子をかぶり、黒の蛇の目に黒の帯、赤い襦袢が見え隠れして静かに舞います。

(c)松竹

この娘、実は白鷺の精なのでところどころに、鶏の所作が見え隠れします。次は町娘の衣裳で赤い振袖。だらりの帯も可愛らしく恥じらいのある娘姿です。

(c)松竹

衣装を替えて次に登場するのは、紫の振袖。早変わりで桃色の振袖に替わって明るく踊った後は、肌脱ぎした赤の襦袢姿ですごみが増し、すぐに銀色の鷺に変身です。切り裂かれた肩の傷口からは血が滲み、苦し気に踊るその姿にくぎ付けです。

(c)福田尚武

白鷺の精は、道ならぬ恋にもがき、降りしきる雪の中、息絶えるさまは、見ているこちらの胸が張り裂けそうになるほどで、まるでバレエ『瀕死の白鳥』を見ているよう。衣装も美しく、女なら一度はこんな姿になってみたいもの。とはいっても、中身が玉三郎ばりの美しさじゃないとかえってがっかりするかしら(笑)。いやそれより、体力がもたないかも(涙)。

蒸し暑い梅雨のこの季節、美しい舞台で一瞬、涼やかに感じられること間違いなしです。7月4日まで。急がなくちゃ!

 

上演の詳細は下記をご覧ください。

HP:https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/02/

*2019年7月2日現在の情報です*写真・記事の無断転載を禁じます。

岩崎由美

東京生まれ。上智大学卒業後、鹿島建設を経て、伯父である参議院議員岩崎純三事務所の研究員となりジャーナリスト活動を開始。その後、アナウンサーとしてTV、ラジオで活躍すると同時に、ライターとして雑誌や新聞などに記事を執筆。NHK国際放送、テレビ朝日報道番組、TV東京「株式ニュース」キャスターを6年間務めたほか、「日経ビジネス」「財界」などに企業トップのインタビュー記事、KADOKAWA Walkerplus地域編集長としてエンタテインメント記事を執筆。著書に『林文子 すべてはありがとうから始まる』(日経ビジネス人文庫)がある。

http://www.geocities.jp/officewe_homepage/

ダンディズムとは

古き良き伝統を守りながら変革を求めるのは、簡単なことではありません。しかし私たちには、ひとつひとつ積み重ねてきた経験があります。
試行錯誤の末に、本物と出会い、見極め、味わい尽くす。そうした経験を重ねることで私たちは成長し、本物の品格とその価値を知ります。そして、伝統の中にこそ変革の種が隠されていることを、私達の経験が教えてくれます。
だから過去の歴史や伝統に思いを馳せ、その意味を理解した上で、新たな試みにチャレンジ。決して止まることのない探究心と向上心を持って、さらに上のステージを目指します。その姿勢こそが、ダンディズムではないでしょうか。

もちろん紳士なら、誰しも自分なりのダンディズムを心に秘めているでしょう。それを「粋の精神」と呼ぶかもしれません。あるいは、「武士道」と考える人もいます。さらに、「優しさ」、「傾奇者の心意気」など、その表現は十人十色です。

現代のダンディを完全解説 | 服装から振る舞いまで

1950年に創刊した、日本で最も歴史のある男性ファッション・ライフスタイル誌『男子専科』の使命として、多様に姿を変えるその精神を、私たちはこれからも追求し続け、世代を越えて受け継いでいく日本のダンディズム精神を、読者の皆さんと創り上げていきます。

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